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2006年07月17日
肝臓、胆のう、膵臓(すいぞう)検診(その他)
肝臓、胆のう、膵臓(すいぞう)について
「肝心かなめ」という言葉が「肝臓」と「心臓」からきていることや※、英語における語源(Liver、生命の複数形はLivesで、語源は同じ)からも分かるように、肝臓は心臓と並んで大切な臓器とされています。肝臓は人間の体内では一番大きな臓器で、体重の2%ほどの重さになります。肝臓にはさまざまな(500を超えるともいわれています)働きがあり、またその働きを助けるため、万一一部が損傷しても修復する機能が高いことでも知られています。
肝臓には「エネルギーの貯蓄」「解毒」「胆汁(消化液)の分泌」「たんぱく質やビタミンの合成」「血液の貯蔵」など、多種多彩な働きを持ちます。人間が生きていくために欠かせないさまざまな活動を営む場所なのです。
また「胆のう」は肝臓で作られた胆汁を一時的に保存しておく場所で肝臓のオプションのようなものです。一方、「膵臓(すいぞう)」とは食べ物の消化を助ける働きをする酵素を作る役割があります。検査の上ではこれらの臓器はまとめて検査できることが多いので、ここでも一つにまとめて記載します。
※「肝腎かなめ」と書く場合もあります。この場合は肝臓と腎臓をあらわしています。
肝臓、胆のう、膵臓の原因
肝臓や膵臓にはさまざまな働きがあり体内の工場のような働きをしますが、本物の工場同様にその働きを過信して過負荷をかけると、トラブルを生じます。これが主な肝臓や胆のう、膵臓の障害原因です。
肝臓に過負荷を与える大きな原因としては、アルコール分の過剰摂取や喫煙、肝炎ウィルスによるものがあります。これらにより肝臓が疲れ、オーバーヒートを起こしてしまうのです。また、高たんぱく質・高脂肪な食べ物は他の食べ物より肝臓に負荷をかけますので、これらの食べ物を食べ過ぎるのもよくありません。塩分の取りすぎも良くないとされています。
寝不足、運動不足、食品添加物、ストレス、薬の常用など、他の病気の要因となりうる事象も十分きっかけとなります。
肝臓、胆のう、膵臓の症状
肝臓の障害と膵臓の障害では大きく症状が違い、また同じ部位の障害でも状況によって症状が異なる場合が多々あります。ここでは代表的な症状について、簡単に説明するに留めておきます。
肝臓に障害が起きた場合に限っても、症状は実に多種多様に及びます。ただ、よくある症状としては黄だん(皮膚や白眼の部分が黄色く変色する)や胆汁うっ帯(胆汁の流れが悪くなったり止まったりする)、肝腫大(肝臓が腫れて大きくなってしまう)、腹水(腹腔内に体液がたまる)、肝不全などがあります。肝臓の病気の症状は急速性のものが少なく、体調不良や食欲不振、疲労感や体重の減少など、病気に相当しない単なる一時的な症状のものもあり、これが肝臓障害の初期発見を遅らせる原因になります。
膵臓に炎症などの障害が起きると、該当する部分(みぞおちや左の腹部・背部)に痛みを生じます。その痛みから眠る事ができない場合もあるほどです。ただ膵臓と胃の場所が近いため、胃の痛み=単なる胃腸不良と勘違いしてしまう場合もあります。
肝臓、胆のう、膵臓の予防
肝臓にせよ膵臓にせよ、炎症をはじめとした障害を防ぐもっとも重要かつ簡単に出来る予防法が、禁酒禁煙です。統計データからもこれらが肝臓や膵臓に余計な負担をかけていることは明らかです。完全な禁酒禁煙が難しいとしても、少しずつ量を減らしていくよう心がけましょう。
また、お酒やタバコに限らず、食物の摂取すべてが肝臓などに負荷をかけていることからも分かるように、これらの臓器に余計な負担をかけないためには暴飲暴食を控えることです。間食などもってのほか。また、有害とされている物質の摂取をできるだけひかえることも「肝要」です。
中国の「医食同源」の考え方の一つに、「調子の悪い部位と同じ場所の肉を食べるとよい」というのがあります。つまりレバーなどを食べればよい、ということになるのでしょうか。これが正しいかどうかは確証が持てませんので、「こういう話もある」ということに留めておきます。
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