« 毛髪ミネラルバランス検診(その他) | メイン | T細胞白血病検診(その他) »

2006年07月17日

視力検診(その他)

2006年07月17日 08:50 | 解説 , その他

視力について

「視力」とは「目に見える力」のことを指しますが、それではそもそも「見える」というのはどういうことを指すのでしょう。人間の「見える」という事象は1億個以上はあるとされている目の部分の細胞「視細胞」が刺激され、目に入った光や熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、大脳の後頭葉の視知覚皮質中枢で「映像をみている」と認識しています。つまり、人間は単純に受動的にものを視ているのではなく、意識をしていても無意識のうちでも、視ているものが何であるかを脳で考え、その上で「視ている」のです。

目の見え具合、つまり視力の良し悪しは何らかの基準を設けなければ比較対照ができないので、そのために「ランドルト環」というものが作られました。保健室などでよく見受ける、一片が欠けているドーナツのような円がそれです。この円が欠けている部分がどこかを正しく認識できるかどうかで、その円の大きさや見ている距離などから、視力の度合いを絶対評価として測定できます。

また「視力」には「動体視力」(動くものを対象として測定する視力)と「静止視力」(止まっているものを対象として測定する視力)の二種類に大きく分類されます。また「裸眼視力」(眼鏡などを使わない状態での視力)や矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを用いた上での視力)など、さまざまな区別化がなされます。トラブルを持っている状態の視力としては「遠視」「近視」「乱視」などがあげられます。

視力の原因

視力の原因、というよりは視力が低下する原因ですが、それにはいくつもの要素があり、一概には言い切れません。また、視力という範ちゅうからは多少外れるかもしれませんが、対象がゆがんで見えたり(乱視、不正乱視)、不同視(左右で目の屈折度が異なる)などもありますが、ここでは省略します。

視力の悪化・低下の原因はさまざまなものが考えられます。もっとも身近なものは「老化現象による低下」でこれは老眼などが主になります。次に、物理的や病気による機能損失が考えられます。直接目にダメージを受けた場合はもちろん、糖尿病や高血圧症など、さまざまな病気が引き金で網膜などに影響が及び、視力が低下する場合があります。最近ではパソコンなどを使う時間が長きに及ぶことで、目そのものを過使してしまい、目のピントが合わなくなり、結果として視力が下がる場合も増えてきています。

さらに心理的要因により目にトラブルが生じ、視力が低下する場合も問題視されるようになりました。視力の直接低下以外にも、目の極度のつかれやかゆみ、けいれんなどが病症として考えられます。

「目は口ほどにものを言い」という言葉があります。視力低下をはじめ目に何らかの変化がある場合、実は身体の異常を訴えている場合が考えられるのです。目の検査をきっかけに、目自身の病気だけでなく、身体の他の部分の病症が見つかる可能性も十分に考えられるでしょう。

かくいう当方(不破)も、ネフローゼ症候群で入院している際に、血液検査以外に糖尿病の有無について視力検査や眼球検査を受けた経験があります(幸い「問題なし」という結果が出ましたが)。目の異常が身体のトラブルを表現するという、良い例をわが身を持って知ったのです。

視力低下の原因について、例えば【ヤフーのヘルスケアページ】で検索すると、実に15もの病名がリストアップされています。たんなる視力低下として片付けると、色々と大変なことになるのかもしれません。

視力(低下)の症状

先にも説明したように視力異常には色々なパターンがありますが、単なる「視力低下」に限定しますと、急激に視力が減退した場合と、じわじわと視力が低下していく2つのパターンに大別されます。前者の場合、何か緊急事態が自分の目や身体に起きた可能性が高いので、すぐに眼科へ受診されることを強くオススメします。

後者の場合、自分自身ではなかなか気が付かず、視力検査をもってはじめて客観的に視力が落ちていることを把握する場合が多くあります。視力低下の場合、単に今まで見えてみたものがぼんやりとしか見えなくなったり、見え方にこれまでとの違いが生じる場合もあります。年をとることによる老化ではなく、別の病気の進行の結果視力低下が起きている可能性もあるのです。

また、視野が狭くなったり何か虫がとんでいるような錯覚が見えたり、まぶしさを感じたりかすみを覚えた場合、白内障や網膜の炎症の可能性もあります。いずれの場合も直ちに専門医のドアを叩いてください。

視力(低下)の予防

視力低下の予防は、まず何よりも物理的なダメージを受けないようにすること。かゆかったり虫やごみが入ったからといって目をこすることなく、目薬などで対処すること。

また視力低下の予防としては、低下原因となりうる病気に備えることはもちろんのこと、それらの病気に共通しているような「健康的な身体を維持するための生活行動」を目指すことが重要になります。すなわち、「バランスのとれた、栄養素の過不足ない食生活」「日光のもとでの十分な運動」「長時間、本を近づけすぎての読書はひかえるなど目にストレスをためるような行動をしない」「規則正しい生活をする」などです。

視力低下は自分自身ではなかなか気が付かないことも多いので、定期的な視力検査が必要になるでしょう。

最近では視力回復のための手術や運動、針治療などが視力回復の手段として話題になっています。が、どれもが一長一短で術後の経過がどうなるかまだ長い経過時間によるデータが揃っていないため、決定打とはなりえていません。

同一カテゴリーの最新5記事

 
Copyright 2005-2013 JGNN All Rights Reserved.