« B型、C型肝炎検診(その他) | メイン | 毛髪ミネラルバランス検診(その他) »

2006年07月17日

骨粗しょう症検診(その他)

2006年07月17日 08:41 | 解説 , その他

骨粗しょう症について

「骨粗しょう症」とはその文字からも分かるとおり、骨密度が減り(骨の構造がすかすかになり)、骨の強度が落ちて骨折しやすくなってしまう病気です。しかも骨全体が弱まった上で骨折するため、骨折の回復に時間がかかったり、日常生活に支障をきたしたりします。現在日本には女性が7割から8割の割合で、合計500万人から1000万人もの骨粗しょう症患者がいるといわれています。今後日本の社会構造が高齢化するにつれ、この数はさらに増加する可能性があります。

骨粗しょう症の原因

骨を構成するカルシウムの不足が主な原因ですが、その大元となる原因はまだつかめていません。骨そのものはたえずカルシウムやリンなどを材料とし新しい組織に作り変えられていきます(これを再構築・リモデリングといいます)。年を経るにつれてこの再構築の仕組みが変化し、骨密度が徐々に減少していきます。

大部分は中高年以上におき、特に女性は閉経と共に骨密度が減り(女性ホルモン内にあるエストロゲンの欠乏が原因)、病状の悪化や発生率が高くなります。また、糖尿病やリウマチ、アルコール中毒の合併症やステロイド剤の服用などでも発生しえます。

発症の危険因子としては、上記の合併症以外に遺伝関係、生活習慣などもあげられます。生活習慣としては偏食、運動不足、コーヒーやアルコールなどの大量摂取、喫煙、日光不足、座りがちな生活、カルシウム摂取量の不足などがあるようです。

骨粗しょう症の病状

骨粗しょう症の病状としては、腰痛や背中の痛み、身長が縮む、背中が丸くなる、背骨や手首などが骨折しやすくなるなどがあります。ただし骨密度の低下は急激に進展するわけではなく、徐々に進んでいくため、初期症状がないどころかある程度進行が進んでも自覚症状が現れない場合が多々あります。

骨密度の低下が進むと、骨の痛みや身体の変形、ちょっとした衝撃(例えば荷物を持ったり転んだり)で骨折しやすくなります。ご老体の人たちにとっては身体的な障害がきっかけで、自立生活ができなくなる場合もあり、事は深刻です。

骨粗しょう症の予防

骨粗しょう症はその症状からも分かるように(骨密度が減少してからカルシウムを注入して密度を上げるわけにはいかない)、治療よりも予防が有効とされています。適度のカルシウム・ビタミンDの摂取や、適切な運動、日光浴が良いとされています。【メルクマニュアル】では、1日あたりカルシウムを1500ミリグラム、400から800単位のビタミンDの摂取を勧めています。要は健康的な食生活と運動をこなせば良い、というわけです。

ダイエットのし過ぎにより、必要な栄養素が不足するだけでなくホルモンバランスが崩れると、若年層から骨粗しょう症へのリスクが高まります。身体に無理な負荷をかけると、単に身体を壊す以上の危険性があることを忘れてはなりません。

また最近では予防薬としてビスフォスフォネート製剤・女性ホルモン製剤・活性化ビタミンD・SERM(Selective Estrogen Receptor Modulator:選択的エストロゲン受容体作動薬)なども開発されています。

同一カテゴリーの最新5記事

 
Copyright 2005-2013 JGNN All Rights Reserved.