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2006年07月17日
肺がん検診(がん)
肺がんについて
肺は呼吸をつかさどる重要な臓器です。肺がんは右肺・左肺の肺そのものや、肺につらなる気管、気管支、肺胞までの内側の粘膜などの細胞が正常な機能を失い、無秩序に増殖することによって発生します。一言でまとめると「肺関連の臓器のがん、細胞のイレギュラー的な増殖」です。
肺がんによる死亡者数は年々増加する傾向にあり、日本では2015年には1年間の患者数が男性11万人、女性3万7000人に登るのではないかと予想されています。男性の方がかかる割合が多く、また、50歳以上の老齢な人の方が多いとされています。1993年以降、肺がんによる死亡率はがん患者の中で胃がんを抜いてトップになりました。また、肺がんの5年生存率は25%から30%といわれています。
肺がんの原因
肺がんは他のがん同様に遺伝子の異常によって発生するのではないかとされていますが、研究がまだ進んでおらず、詳しいことはわかっていません。従って、確かな原因も確定されていないのです。
ですが、喫煙、つまりたばこを吸うことが大きな原因であるというのはほぼ確実なようです。たばこを多く吸う人ほど肺がんにかかりやすくなります。諸説・諸データがありますが、【国立がんセンター】によれば毎日喫煙する人は非喫煙者に比べ、約4.5倍肺がんのリスクが高くなります。また、喫煙の開始年齢が若いほどリスクが高くなり、20歳以下に喫煙を開始すると非喫煙者に比べ、リスクは6倍近くなります。
またたばこ以外にも大気汚染や放射性物質、アスベストなどとの関連性も指摘されています。特にアスベストは最近になって、肺がんとの関連性を指摘され、大きな社会問題として取り上げられるようになりました。
肺がんの症状
肺がんを発病すると、咳が続いたり胸が痛くなったり、呼吸をする時にぜぃぜぃするようになったり、息切れ、血痰(血のまざった「たん」を出す)、声の枯れ、さらには顔や首のむくみなどを症状として発します。肺のどの部分に発症するかによって、症状が違い、部位によってはなかなか初期症状が出にくい場合もあります。
また、疲れやすくなったり食欲不振におちいったり、体重減少という症状が出る場合もあります。
肺がんの一種である小細胞肺がんでは、まれに腎臓病の一部症状にあるような、肥満、丸顔、血圧や血糖値の異常上昇などの症状が見られます(クッシング症候群)。この症状をはじめ、肺がんの一般症状は風邪をはじめとする他の病気の症状と区別がつきにくいため、患者自身には自覚が難しい場合があります。国立がんセンターでは喫煙歴のある40歳以上の人に対し、「なかなか治りにくい咳、血痰、胸痛、喘鳴、息切れ、嗄声、発熱」の症状があった場合にはがんの検査をすることを勧めています。
肺がんの予防
肺がんに効果的な栄養素としてベータカロチンなどが一時期話題になりましたが、少なくとも臨床試験においてその効用は否定されました。もっとも野菜をきちんと採ることで身体の自然治癒力が高まれば、肺がんに限らずさまざまな病気の発生率が減るのは疑う余地のないところです。また、お茶を飲むことで肺がんのリスクが減るという話もありますが、これも確かなものではありません。
何より予防策として重要・確実なのは禁煙です。短期間の禁煙は単純に肺がんにかかる可能性の上昇を抑えたに過ぎませんが、長期間禁煙を続けることで、肺がんにかかる確率はたばこを吸わない人のレベルにまで下がるという報告もあります。
たばこを吸わないことで生じるストレスのことを天秤にかけても、肺がんのことを考えれば禁煙を選んだ方がよさそうです。
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