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2006年07月17日
肥満遺伝子検診(生活習慣病)
2006年07月17日 07:51 | 解説 , 生活習慣病
肥満遺伝子について
肥満は身体に必要以上のエネルギー・カロリーを取り入れるために起きる現象です。出す分より入れる分が多ければ、身体に蓄積されるのは当然だからです。運動や身体の維持で使い切らなかったエネルギーは脂肪に変えられて身体に蓄積されます。一方、身体が使うエネルギーとしては、運動などで筋肉が使う通常のものの他に、動かなくても生きているだけで消費される「基礎代謝」があります。
この「基礎代謝」で用いられるエネルギーについてですが、実は「肥満遺伝子」と呼ばれる遺伝子で左右されることが最近の研究によって明らかにされました。肥満遺伝子は50ほど確認されており、その遺伝子によって基礎代謝の具合が違い、結果として肥満となるかどうかの個人差も生じる、というわけです。
同じように食べて運動しても肥りにくい人、肥りやすい人がいるというのはよく聞く話です。これはひとえに基礎代謝の効率の違い、つまりは肥満遺伝子の違いからくるものです。
肥満遺伝子の原因
どのタイプの遺伝子を持っているかはひとえに遺伝によるもので決定され、後発的に生じるものではありません。また、肥満を引き起こす要因となる「肥満遺伝子」の種類によって、肥満のなり方も違ってきます。例えば親があんこ型の肥満体質をしていると、その肥満遺伝子を引きついだ子どもも似たような体系の肥満になりやすいというわけです。
肥満遺伝子の症状
他の項目でも説明した通り、基礎代謝の面で肥満となる場合には、その人が持つ肥満遺伝子の性質が大きな影響を及ぼします。肥満遺伝子の種類により、先にあげた「あんこ型」、お腹の周りに脂肪がつく「りんご型」、下半身がふっくらとする「洋ナシ型」、隠れ肥満ともいわれる寸胴体型の「バナナ型」などが代表的な遺伝子別肥満症状としてあげられます。単に「肥っている、肥満だ」からといって押しなべて同じ肥満遺伝子による症状としての肥満体型をしているわけではないのです。
肥満遺伝子の面から肥満に備えるために
肥満になる前に遺伝子検査をすればある程度推測はできますし、肥満体型になってからもその体型でどのような肥満遺伝子を原因としているのかは大体分かります。基礎代謝の面で肥満になった場合、それぞれ原因となった肥満遺伝子への対策(食生活、運動、サプリメントの摂取などなど)を行うことで、健康的な体型を取り戻すことができます。
世の中には数多くのダイエット方法が存在します。ですがオールマイティで万能なものはありません(人より少量しか食べず運動をしても肥る人すらいます)。それはそれぞれの人の肥満体質を引き起こした肥満遺伝子が異なるがためなのです。肥満遺伝子が異なれば対策も異なってきます。
たとえば肥満遺伝子の一つβ3ARという遺伝子は、内臓脂肪がつきやすくお腹の周りに脂肪がつく「りんご型肥満」を引き起こします。この遺伝子の持ち主の場合、炭水化物を特にひかえ、血糖値の上昇を押さえ、有酸素運動(水泳や散歩)を行うことが有効だとされています。
無駄なダイエットを避けるためにも、肥満遺伝子の測定は必要不可欠なのです。
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