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2006年07月17日

O157検診(その他)

2006年07月17日 09:44 | 解説 , その他

O157について

O157とは大腸菌の一種で、毒素によって出血性の腸炎を引き起こすことから、正式には「腸管出血性大腸菌O157(O-157)」と呼ばれています。元々大腸菌は人間やその他動物の体内にも多数存在し、ほとんどが無害なのですが、中には消化器にいたずらをしたり合併症を引き起こすこともあり、これら悪玉大腸菌を「病原大腸菌」と呼びます。O157とはこの病原大腸菌の中でも毒素を出して腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすものです。

大腸菌はその構造からO抗原とH抗原に分類されます。O157とはO抗原として157番目に発見されたことが由来となっています。

O157は毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)※などの合併症を引き起こすのが特徴です。溶血性尿毒症症候群が発症する機構は十分には解明されていませんが、この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって、身体全体に重大な影響を及ぼす症状を引き起こします。

O157の発見、認識は1982年のアメリカでのハンバーガーによる食中毒事件がきっかけで、比較的新しいタイプの大腸菌です(もちろん発見、という意味であり存在そのものは以前からあったはずです)。日本では1990年代に大規模な発症があり、特に1996年には1万人以上もの発症例がありました。

※HUSとは溶血性尿毒症症侯群(Hemolytic Uremic Syndrome)の略で、血栓性微小血管炎(血栓性血小板減少性血管炎)による急性腎不全のことを指します。破砕状赤血球を伴った貧血や血小板減少、腎機能障害を特徴とします。O157に感染している際に意識障害や浮腫、顔色不良などの症状が出たら要注意です。

O157の原因

O157はウシなどの家畜や人の糞便中に時々見つかります。また、これまでの感染事例から原因となる食品として特定された、あるいは推定されたものとしては、日本国内では井戸水や牛肉製品(ステーキやローストビーフ、ハンバーグなど)、サラダ、カイワレ大根、キャベツ、お新香、日本ソバ、メロンなどがあります。海外ではそれらに加え、ハンバーガーやミートパイ、アルファルファ、アップルジュースなどがあげられます。これらの他に、感染未達ではあるものの、汚染実態を調査した結果、牛肉の内臓肉やお菓子からO157が検出されたという報告もあります。

世界保健機構(WHO)の専門家会議ではこれらに加え、ヨーグルトや生乳、チーズやソーセージ、とうもろこし、マヨネーズ、などが原因として指摘されています。つまりほとんどの食品からO157は感染する可能性があるわけで、後に説明するように食品の洗浄など衛生面での取り扱いに注意することが必要です。

なお、まれにではありますが接触感染(感染している動物やハエ経由)の事例も報告されています。

O157の症状

O157の症状としては他の食中毒同様にまったく症状が無く収まってしまうものから、腹痛や下痢程度で済むもの、水様便にいたるもの、激痛レベルでの腹痛や血便、さまざまな合併症を起こすものまで、多種多様な症状が出る可能性があります。ほとんどの場合は一週間前後の潜伏期間の後、水様便と腹痛、さらに血便に至る場合もあります(出血性大腸炎)。発熱が起きる場合もあります。

さらに出血性大腸炎に至った人の1割弱が、一週間から二週間のうちに溶血性尿毒症症候群(HUS)や、さらには脳症などの重度合併症を発病しえます。

血便や腹痛などを感じた場合、単なる食べすぎや食あたりだけでなく、O157への感染の可能性も否定できません。

O157の予防

一時期無敵の大腸菌のように報道されたO157ですが、サルモネラをはじめとする他の食中毒菌と同様に加熱や薬による消毒で死滅しえます。つまり通常の食中毒対策を確実に行えば、予防は可能です。

食中毒を予防するための食品の取り扱いについて、宇宙食の取扱いのシステム・手法であるHACCP(ハサップ、Hazard Analysis and Critical Control Point)を元にした方法があります。詳しくは【関連データベース】などをごらん頂くとして、ここでは簡単に項目だけをピックアップしておきます。

1:食品の購入……新鮮なものの入手と早めの保存
2:家庭での保存……適切な冷凍・冷蔵、汁の管理
3:下準備……台所の衛生チェック、井戸水への注意、使用食品の水洗いなど
4:調理……十分な加熱、調理器具の清掃
5:食事……手洗い、食器の清潔さを保つ、長期間の料理の放置を避ける
6:あまりもの……小分けして容器に入れる、無理せずもったいないと思っても捨てる

なおO157そのものは75度以上の状況に1分以上いることで死滅します。野菜のO157を除菌するには100度のお湯で5秒以上湯がきすることが有効だとされています。また、殺菌剤の役目を果たすものに次亜塩素酸ナトリウムが食品添加物として認められていますが、使用方法が食品によって違ってくるので注意が必要です。

細菌が増えるためには水分が必要不可欠です。よって、食器乾燥機で食器の水分を奪い、乾燥加熱で細菌の死滅も期待できるので、食器乾燥機は有効な予防手段の一つ足りえます。

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