小さな鉄道模型「Zゲージ」などで有名なメルクリン社が破たん
2009年02月07日 12:00
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]が2009年2月5日に伝えるところによれば、世界的に有名なドイツの鉄道模型の老舗【メルクリン(Maerklin)】社が同年2月4日、ドイツの裁判所に破産申請をしたと発表、事実上の経営破たんをしたことが明らかになった。今後は管財人のもとで事業を継続し、再建の道を探ることになる。
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メルクリン社公式サイト
メルクリン社は1859年の設立以来同族会社として経営を続けていたドイツの会社。鉄道模型を作り出したのは1891年からだが、1世紀以上の長きに渡り、さまざまなスケールの鉄道模型を世に送り出している。同社の鉄道模型の縮尺は国際標準にも採用され、ドイツはもちろん世界規模で鉄道模型の世界の中心企業の一つとして認められている。
また同社はカプラー(車両同士を連結する連結器)など鉄道模型における活気的な数々のアイディアを考案し商品化。最近では運行する鉄道模型を管理するシステムも発売。玩具的要素の強いIゲージ(1/32スケール、線路幅45ミリ)や電動式鉄道模型では最少サイズのZゲージ(1/220スケール、線路幅6.5ミリ)分野において、リーディングカンパニー的な地位を勝ち得ている。同社の模型は重量感のある車体や安定性の高いパーツ、拡張性に秀でたシステムなど、ドイツ商品ならではの特徴を兼ね備えており、レーガン元大統領なども同社の模型の収集家の一人。
すでに【ドイツの鉄道模型会社メルクリン社、経営不振で投資会社に身売り】でお伝えしているように、同社は2006年に経営不振からイギリスの投資会社キングスブリッジに売却されていた。しかしその後も経営状態は改善されず、ますますのコンピュータソフト・ゲーム機の普及で「ホンモノの」鉄道模型人気は減少。同社の経営状態は改善されず、リストラ策なども実施されたが最終的には複数の地元金融機関との融資交渉が不調に終わり、資金繰りに行き詰まったとのこと。
キングスブリッジ側は買収当時は「メルクリンは一流のブランド。北米、アジア市場中心にまだ成長が見込める。利益体質への復帰は可能だ」とコメントしていたが、結局不況の波がこれらの市場の縮小に加速をつけ、メルクリン社を破たんに追いやってしまったようだ。日本では鉄道模型は、定年退職期を迎えた団塊世代が好む趣味の一つとして、また、食玩ブームとうまく連動する形となり、一時期の低迷期から復調を遂げつつある。それだけに、オピニオンリーダーたるメルクリン社の破たんは多くの人に衝撃を与えることだろう。
ちょっと洒落たおもちゃ屋や鉄道模型の専門店では見かけることの多いメルクリン社の鉄道模型たち。日本でもおもちゃ屋や専門店以外に、【メルクリンセンター レオ】や『楽天市場』などで手に入れることができる。現時点では「事業終了」という報はないが、今後同社の商品の入手はこれまで以上に難しくなるかもしれない。
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