プライベートブランドは安くて気軽だけど……美味しい?
2009年02月06日 06:30
ヤフーバリューインサイトは2009年2月2日、プライベートブランド(PB)に関する調査結果を発表した。それによると、PB商品のイメージは「気軽な」「親しみやすい」など、身近な存在としてのものが強い一方で、商品そのものの本質である「美味しい」「品質が高い」の観点ではNB(ナチュラルブランド)に比べてかなり劣ることが明らかになった。NB・PB最大の違いの点であると同時に、今後PBが改善を目指すべき点ともいえる(【発表リリース】)。
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今調査は2008年12月11日~16日までの間、20~59歳の首都圏在住の人を対象に、予備調査・本調査をインターネット経由で行ったもので、有効回答数はプライベートブランドを知っていて購入した経験がある人1000人。男女比は1対1、年齢階層比は20代から10代区切りで50代まで均等割当。
プライベートブランド(PB)とは小売店業者やそのグループ、複数の業者による販売組織体がメーカーと共同で開発、小売店自身のブランド名をつけて発売する商品(食品が有名だが食品だけではない)。基本的にはその小売店業者の関連店舗でしか購入できない。対してナショナルブランド(NB)はメーカー自身が開発し、どこでも手に入る商品。誰もが知ってる大企業の製品がそれだ。
最近は消費者の懐具合の事情から、安価であることが多いPBに注目が集まっている。それではPBとNBそれぞれにおいて、消費者はどのようなイメージを持っているだろうか。ポジティブな要素を挙げてそれに当てはまるか否かで各項目について回答してもらった結果が次の図。
NB・PBのイメージ
全般的には冒頭でも触れたように、PBは身近なイメージを表す項目「気軽な」「親しみやすい」「新しい」などの項目が、NBでは「定番」「安心感」などの企業をバックボーンにしたブランド感に関する項目が高い。
さらにNBではPBにはないブランド力・これまでの経歴によるものだろう、「安心感」「信頼感」「美味しい」「品質が高い」などの項目でもPBより高い値を得ている。特に昨今話題となっている「食の安全」に関する項目において、NBはPBと比べてきわめて高い(約2倍)、逆にいえばPBはNBの約半分のイメージしかないことが分かる。
百歩譲って食品以外のものならともかく(実際にはそうでない場合も多いが)、口に入れる食品においてはとりわけ、食品そのものの安全性が求められる時代。その時代背景の中で、食品自身の質の問題である「美味しい」「品質が高い」の項目が低いということは、PBは消費者からは「安かろう悪かろう」と受け止められている感がある。
これを「是」として作り手が受け止めるのなら、それはそれで構わないのだか、消費者側では(別項目にあるように)味や品質が良くなければ安いPBでも次からは購入しないと回答している。
PB購入に対する要望/購入時の意識(一部)
PB提供側としては、単に安いだけでなく、いかに消費者が満足するような美味しさや品質を生み出していくかが今後の課題となることだろう。
とはいえ、NBと同等のものを求めると、価格までNBと同レベルになってしまう可能性もある(それではまさに本末転倒)。あるいはそもそも論として「NBと同じ土俵」に登ることから考え直すのも一考すべきアイディアかもしれない。
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