男性法経、女性人文芸術……大学の専攻分野で男女に大きな違いが

2009年02月02日 06:30

大学生イメージ文部科学省は2009年1月31日までに、各国の教育指標を比較するためのデータとして「教育指標の国際比較」の2009年版を公開した。それによると、2008年における日本の大学・短大における専攻部門は、全体では法律・経済など(いわゆる法経)がもっとも多く3割強を占めていることが明らかになった。男女別では男性では法経がもっとも多く4割に達している一方で、女性では人文・芸術の比率がもっとも高くなっているなど、男女で専攻に大きな違いが見られる結果となっている(【発表リリース】)。

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今資料は日本の教育を考察する上で、その状況を諸外国との比較において確認することを目的として作られたもので、国内の各官公庁の資料やOECDのデータを用いて編さんされている。今回スポットライトを当てたのは国内資料による部分。

高等教育のうち、専攻部門に選択の余地がある大学・短大において、在学者の専攻割合を人数で比率化したものが次のグラフ。人物・芸術と法経などで約半数を占める構成が見えてくる。

大学・短大の在学者専攻者数比率(2008年度)
大学・短大の在学者専攻者数比率(2008年度)

男性と女性では「人文・芸術」「法経など」の比率に大きな違いがあり、両者の割合順位が逆転してしまっている。しかしその二つをあわせた合計がほぼ同じ値を示しているのは興味深いところ。また、男性が「工学」、女性が「医歯薬保健」「教育・教員養成」の割合が高いあたりも、男女別専攻の趣向の違いが見えてくる。

これをさらに、大学院で見ると次のようになる。

大学院の在学者専攻者数比率(2008年度)
大学院の在学者専攻者数比率(2008年度)

大学の専攻部門以上に大学院は専攻部門のあるなしが限定され、個々の院生の趣向以上に片寄りが生じてしまうこともあるが、全体では「工学」「法経など」「医歯薬保健」の順となっている。それぞれの専攻が出来る大学院の数そのものの違い以外に、深く追求したい分野、就職との関係から、大学の専攻分野の分布とは違った傾向が出てしまうのだろう。

ちなみに専攻部門の区分に多少の違いはあり、一概に比較するのはやや危険なきらいもあるが、他の主要国と比較してみると、理工系においてはアメリカは日本と比べて少なく、イギリス・フランス・ドイツとはほぼ同等、ロシア連邦や韓国は日本以上の割合を示している。各国の大学生の趣向や教育機関の方針、さらには国家戦略もかいまみれそうな気がする。

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