ネットでの映像配信観てる人「無料ならば」がやっぱり一番

2009年02月01日 12:00

動画閲覧イメージマイボイスコムは2009年1月23日までに、映像配信サービス(版権所有者がインターネット経由で動画情報を配信するもので、YouTubeなどのように利用者が動画をアップロードさせるものとは異なる)に関する調査結果を発表した。それによると、現在映像配信サービスを利用している人の9割近くが「無料配信サービスのみを利用している」と回答していることが明らかになった。また今後の利用意向でも「有料サービスを利用したい」と考えている人は1割にも満たず、「インターネットを用いた映像配信は無料」という考えが浸透していることをうかがわせる結果が出ている(【発表リリース】)。

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今調査は2009年1月1日から5日までの間に行われ、有効回答数は1万4034人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代37%、40代30%、50代以上18%など。

冒頭で説明したように、「映像配信サービス」はYouTubeなどの動画共有サイト・CGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)ではなく、配信側が「インターネットを放送電波」「パソコンやケータイなどをテレビ」代わりに用いた、動画配信事業のようなサービス。別項目の調査結果では「Yahoo!動画」「GyaO」が知名度・利用度ではダントツで、「BIGLOBEストリーム」「@nifty動画」などが大きく差をつけられているものの、順位として続いている状況。

ただしインターネットが定額制による利用が常識となり、テレビもCATVなど一部を除けば無料で視聴できることから、「パソコン経由の映像配信サービスも無料が基本だよネ」という考えが浸透しているようだ。現在映像配信を使っている、使ったことのある人の9割近くまでが、「無料サービス”のみ”を利用している」と回答する結果が出ている。

映像配信サービスに使う月額料金
映像配信サービスに使う月額料金

お金を払っている人もその多くが1000円以下の低額で、1000円以上を支払っている人はわずかに3.2%に過ぎない。

それでは「今後」、支払いの有無も含めて映像配信サービスを利用し続けたいかについて尋ねたところ、「無料サービスのみ利用したい」と回答している人が7割。やはり「映像配信サービスは無料」という考えが支配的なようだ。

映像配信サービスの利用意向(今後)
映像配信サービスの利用意向(今後)

「有料サービスのみ」という人は0.4%しかいなかったが、「両方利用したい」人は8.0%に達していた。現在サービスを使っている人のうち、有料サービスを利用している人が9.5%(100%-89.3%-1.2%(無回答者))なので、ほぼ一致する。恐らくは現在有料サービスを使っている人が継続して利用し、無料サービスのみを使っている人は今後も有料サービスには見向きもしない、ということなのだろう。


冒頭でも触れたが、映像配信サービスは既存メディアのテレビと同じような立ち位置で考えられているフシがある。日本では「テレビ視聴は無料」、さらには「インターネットのコンテンツは無料」という考えが浸透しており、「映像配信、有料? わざわざお金を出してまで観る必要はないネ」と敬遠されているのだろう。現時点では「プロモーションとして」「サイトそのもののコンテンツを充実させるために」「広告費で」まかなわれている無料の映像配信サービスだが、採算が取れないと判断されれば先細りも懸念される。

動画閲覧イメージもし無料のままサービスを継続するのなら、既存のテレビ局がこれまでどのようにして採算をとってきたのかを考えると良いかもしれない。一方で有料サービスによるビジネスを成り立たせるのなら、「お金を払っても、どうしても観たい」という物(例えばファン向けの限定映像)を提供する必要があるだろう。

一方で、「お金を簡単に支払える仕組み」を提供することも大切。払うまでの過程が増えるほど、人は面倒になってしまうものだ。携帯電話の有料コンテンツ視聴くらいに、課金が簡単に行えるシステムの構築が、映像配信サービスの有料化には求められているのかもしれない。

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