まんがも小説もエッセイもすべて無料で新作! バンナムが「読むバンダイビジュアル YOMBAN(よむばん)」スタート
2009年02月03日 08:00
【バンダイナムコ(7832)】グループのバンダイビジュアルは2月2日、新作の漫画や小説、エッセイを掲載するウェブサイト【読むバンダイビジュアル YOMBAN(よむばん)】を2月2日にオープンしたと発表した。閲覧はすべて無料。3月からは1日と15日に内容の更新を行うとのこと(【発表リリース、PDF】)。
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読むバンダイビジュアル YOMBAN(よむばん)
今サイトは20代男性をターゲットとし、「Triple H(H3、トリプルH)」(=Human、Humor、Hero:人間的、ユーモア、ヒーロー・ヒロイン)をコンセプトに掲げ、これらの要素を持つ「完全新作の」漫画やノベル、エッセイを掲載していく。オープン時には『星界の紋章』の森岡浩之の書き下ろしノベルをはじめとする11作品の連載が始まり、3月には芥川賞候補作家の円城塔のノベルが登場するなど毎月1~2本の新作が追加される予定。
さらに有名作家だけでなく新人作家の作品も積極的に採用し、クリエイターの発掘や育成を目指していく。その他にも期間限定で無料ダウンロードできる人気イラストレーターの描き下ろし壁紙カレンダー、読者イラストコーナーなども掲載される。
「読むバンダイビジュアル YOMBAN(よむばん)」の特徴は閲覧時に利用する独自ビューアにある。このビューアー(「プラグインフリー」型電子書籍ビューア)はJavaやFlashなどを組み込まなくとも閲覧できる、サピエンス社のオリジナル技術によるもの。実際に読んでみると分かるのだが、他社の電子書籍ビューアと比べて非常に軽快に、スムースに起動・稼動し、各漫画などを読み進めることができる優れもの。
その上、読んでいるコンテンツを第三者にもオススメできるよう、動画共有サイトYouTubeなどにも見られるブログパーツの配信やURLの提供、さらには各種ソーシャルブックマークに登録したり友達にURLをメールで送る仕組みまで用意されている。この仕組みはこれまで他のビューアにはなかったもので、「インターネット上のクチコミを活用し、多くの人に作品を見てもらう」ためには必要にして十分な機能といえる。
ビューアの左端「YO」のアイコンをクリックするとメニューが開き、ブログパーツの作成やソーシャルブックマークへのクリック用ボタンが登場する。
ブログパーツ生成の流れ。
驚いたのは「その作品の」ではなく、「見ているビュー画面」をブログパーツに出来ること。作品そのものを薦めるのではなく「この漫画のこの部分、お気に入りです」ということがブログパーツを用いて「公認で」行うことが可能となる。
「読むバンダイビジュアル YOMBAN(よむばん)」は現時点では広告の挿入もなく、無料で閲覧でき、会員登録すら必要ない。オリジナル作品のため、「続きは本誌を買ってね」というビジネスも出来ない。リリースによれば今サイトでは作品の提供を通じて
・アニメなどの映像作品の源泉となる原作の創出。
・映像のみならずグループでの商品化、ゲーム化といったマーチャンダイジング展開も視野に入れ、グループ各社で活用できる新たな有力コンテンツを創造。
・コンテンツの書籍化も計画。
などを通じてビジネス化していくことを目指しているという。
先に【バンナムHD、人事と体制の刷新を発表】や【バンダイナムコのキャラクター別売上をグラフ化してみる】などでも示したように、バンナムでは既存の人気キャラクターたちに続く、新たな「立役者」的コンテンツの創生を模索する必要に迫られている。今回の「よむばん」も、それを中長期的に求めているのだろう。いわば「種まき」の場として「よむばん」を構築したわけだ。
当然のことながら、爆発的なヒットをしない限り、芽が出て成長し、実が成るまでにはそれなりの労苦と時間を要することになる。「クチコミができる手法の提供」など、ツボはついている感があるので、あとはいかに多くの「ダイヤの原石」を見つけ出し、それを磨き、光り輝かせるか・輝く手助けが出来るかに、「よむばん」の成否がかかっているといえよう。
(c)2009 ささきむつみ/BANDAI VISUAL
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