テレビが一番、パソコン二番~テレビは男女を問わず全年齢で高印象

2009年01月20日 06:30

家族で視聴イメージメディア環境研究所は2008年7月8日、毎年2月に実施している「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査・08」の抜粋編を発表した。それによるとあらかじめ用意された多数の肯定的項目に対する各メディアのイメージ量(≒印象度合い)において、テレビがすべての年齢層・性別に対しほぼ全般的に高い支持を得ていることが明らかになった。一方ラジオは全般的に低く、その他の既存・新デジタルメディアにおいては年齢や性別で大きな違いが見受けられる。各メディアが与える・メディアに対して持っている印象はそれぞれ大きな違いがあるようだ(【発表ページ】)。

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今調査は郵送調査方式で行われ、2008年2月4日に発送、2月22日投函を締め切りとしたもの。東京・大阪・高知の三地区を対象にRDD方式で選ばれた15~69歳の男女に対し調査票が計2186通送付され、1877通が回収された。デジタル手段ではなく、郵送方式で調査が行われたこと、調査実施期日が去年の2月であり、約1年が経過していることに注意する必要がある。

「あらかじめ用意された多数の肯定的項目」は直前の記事「テレビの三大支持項目は「面白い」「必要不可欠」「話のネタに欠かせない」」にある通り。そちらではテレビが受信のハードルの低さから特に「自分にとってなくてはならない」「仲間との話題に必要」「おもしろい」の3項目で高い評価を集めていること、「少数から不特定多数がテレビの特徴の一つ」などをチェックしている。また、この「(肯定的)イメージ量」が多ければ多いほど、そのメディア(が発する情報)に深い関心を持っていることが分かる。

それでは各メディアに対するイメージ量の総数はどの年齢・性別でも同じだろうか。年齢・性別に区分して調べた結果は次の通りとなった。

全体としての各メディアのイメージ総量
全体としての各メディアのイメージ総量
各メディア毎のイメージ総量(年齢及び性別)
各メディア毎のイメージ総量(年齢及び性別)

直前の記事「「テレビの時間」高齢者は若者の2倍! 年齢で大きく異なるメディアへの接触時間」で示したように、同じ調査結果では20代男性のテレビ視聴時間は60代男性と比べて約半分でしかないなど、若年層のテレビ離れが顕著に見えている結果が出ている。それにも関わらず、(多少の凹みはあるが)テレビが全年齢層・性別を問わず高いイメージ総数≒印象度合いを確保しているのが分かる。「オールラウンド的な魅力」が最大のテレビの特徴であり、この事由は繰り返しになるが「少数から不特定多数がテレビの特徴の一つ」と、視聴ハードルそのものが低いのが主な理由。

「視聴時間が短い若年層からも、一定のイメージ的な支持を維持し続けている」これがテレビの現状であり、メディアにおいて最大の威力を持ち続ける理由に他ならない。

雑誌とパソコンは相性が良い!?

一方、新聞や雑誌などの既存メディア、パソコンや携帯電話経由のインターネットへのアクセスにおいては、年齢層別・性別でかなりの違いが見られる。

・新聞……全般的に「高年齢層ほど印象度が高まる」
・雑誌、携帯電話……「若年層ほど印象度が高まる」
・パソコン……「中堅層まで印象度は高く、高年齢になると印象度が低下する」


意外なのは雑誌がパソコンや携帯電話のような新デジタルメディアと同じような傾向を示していること。一方で直前の記事で列挙したように、パソコン経由のインターネット接続と雑誌間では、それぞれイメージ度の高い項目には違いがある。

■「イメージ度の高い項目」

・雑誌
「○情報が幅広い」「○知りたい情報が詳しく分かる」「楽しい情報が多い」「おもしろい」「明確な個性や特徴を持つ」

・パソコンからのインターネット
「情報が早くて新しい」「○情報が幅広い」「○知りたい情報が詳しく分かる」「役立つ情報が多い」「自分にとってなくてはならない」「時代を切り開いていく感じがする」


お互いのメリット・デメリットをうまく活かすには(視聴者から見た)「雑誌とパソコンの共通点を強く連動させつつ、お互いの足りない部分を補完し合える」ような企画を、両者に共通した「支持の高い若年層~中堅層」に向けて発することで、非常に有効で相乗効果を期待できるものが創り出せる可能性がある。


成人女性が携帯電話を使うイメージ本文ではほとんど触れなかったが、携帯電話は他メディアと比べてまだ歴史が浅く(とはいうもののパソコン経由のインターネットも普及しはじめてから10年ちょっとだが)、特に中堅層以降のイメージ量が少ないため、メディア全体としてのインパクトが低いという結果が出ている。しかし特に利用されている15~19歳の女性に限れば、雑誌やパソコンに並び、ラジオや新聞を追い抜くほどの量を持っていることも分かる。

これらの層が年とともに社会人となり年齢を重ねるに連れ、利用時間そのものは減少するだろうが、その一方で携帯電話に対するイメージ総量にはさほど変化は起きないものと思われる。それと共に各メディアに対するイメージ総量の相対的な立ち位置も、大きく変化を見せるてくることだろう。

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