株価低迷で東証が上場廃止基準などを緩和へ

2009年01月14日 08:00

株式イメージ東京証券取引所(東証)は1月13日、市場の一部から二部への指定切り替え、及び上場廃止基準について、2009年12月末までの間、適用の基準を一部緩和することを発表した。昨年末まで行われていた適用停止処分に続く「株価低迷に伴う暫定的措置」となる(【発表リリース】)。

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上場株券に係る時価総額基準の取扱い・暫定的措置内容
上場株券に係る時価総額基準の取扱い・暫定的措置内容

すでに【株価低迷で時価総額による上場廃止基準一時停止へ】でもお伝えしているように、東証では昨年10月末から12月末までの間、「時価総額及び流通株式時価総額」に関連する一部・二部・マザーズの上場廃止基準と、指定切り替え基準を停止する措置を実施してきた。しかし株価低迷の状況は継続しており、引き続き上場廃止基準に該当する銘柄が続出する事態が容易に想像できる状況となった。

今回発動された措置は、昨年のような「停止」ではないものの、基準を多少緩和し、市場全体の低迷で上場廃止・指定替え銘柄が続出することを防ぐためのもの。具体的には例えば一部・二部の上場廃止基準として「時価総額基準10億円未満」「流通株式時価総額基準5億円未満」が存在していたものが、それぞれ「時価総額基準6億円未満」「流通株式時価総額基準3億円未満」に緩和されることになる。今後はこれらの基準に従い、抵触した場合には9か月(3か月以内に必要書面を提出しない場合は3か月)以内にそれぞれの額が回復しない場合、上場廃止・指定替えの措置が取られることになる。

状況に対応した
適切な措置なのか
単なる「甘やかし」か

なお現時点で猶予期間入りをしている銘柄については、猶予から逃れて通常復帰するための基準は、変更後のものとなる。ちなみに時価総額基準抵触による猶予期間中は22銘柄、流通株式時価総額基準抵触は2銘柄が確認されている(【一覧ページ、PDF】)。

今件は市場混乱を避けるための判断なのだろうが、「状況が変わったからルールを変える」という意図には「臨機応変」と評価する一方、「何のためのルールなのか」と厳粛化を唱える意見もある。昨今の情勢により仮に上場廃止などの動きがあっても、それは「自然淘汰の中の一過程」とみなすべき、というものだ。上記の「現時点ですでに」猶予期間中の銘柄一覧を見ると、「基準を緩和して維持させるべきなのか否か」について、見た人ひとりひとりの判断も色々と変わってくるかもしれない。

(最終更新:2013/07/31)

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