新成人にとってもっとも重要なこと、趣味や友情、恋愛よりも……

2009年01月10日 12:00

新成人イメージマクロミルは1月7日、2009年に成人式を迎える人たちに「新成人に関する調査」を行った結果を発表した。それによると、今現在「重要だ」と感じている要素のトップには「将来の仕事・就職」「お金」がつき、ほぼ同数で96%を超えていることが明らかになった。一部はすでに就職して仕事についている人は「仕事」「お金」への関心が高いだろうし、大学生など就職を控えている人には「就職」への想いが強いのだろう(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

今調査は2008年12月17日から18日の間、2009年に成人式の参加対象となる人を調査母体としてインターネット経由で行われたもの。有効回答数は516、男女比は1対1。

20歳の時点で何らかの形で高等教育を受けている人は統計では8割前後に達しているが、逆算すれば約2割近くがすでに職についていることになる。立ち位置は違うが、やはり一番重要だと感じているのは「仕事・就職」で変わりはないようだ。

今、あなたにとって下記の内容はどの程度重要ですか
今、あなたにとって下記の内容はどの程度重要ですか

「重要」単独でも、「重要」と「どちらかといえば重要」をあわせた「重要派」で区切っても、もっとも多いのは「(将来の)仕事・就職」。現在勤め人の人は今後の自社の動向が不安な、これから就職の人は「自分の(適正な)職が見つかるのかどうか」という就職活動に対する不安が心の中に渦巻き、重要視せざるを得ない現実を見つめているに違いない。

新成人が重要視するもの
「仕事」と「お金」

「仕事・就職」とほぼ同数なのが「お金」。要は「今、自前で持っているお金」だけでなく、「今後どれだけためるか、ためられるか」「経済的な面から見た生活の動向」にまで領域は広がる。「新成人だから、チャラチャラしてるのでは?」という意見を持つ人もいるだろうが、今件を見る限りでは経済観念は決して悪くは無い。

また、「将来のスキルアップ」は上記2つよりやや「重要」の得票は少ないものの、これから社会人の仲間入りを果たすにあたり、自分を磨き上げていこうという意気込みが感じられ、頼もしい限り。もっとも「仕事・就職」とも少なからず関連していることから、「少しでもハードルを低くするための手段」として考えている可能性も否定できないが。

「恋愛」や「結婚」は
後回し!?

「趣味」や「今を楽しく生きること」など、いわば快楽主義的な事柄について重要だと答えている人もそれなりに多いが、現実問題として差し迫っている「仕事」「お金」にはかなわないというのが、新成人の現状だろう。さらにいえば「恋愛」「結婚」などの項目は他項目と比べて数字が低く、特に「重要でない」回答が多いことから、「今はそれどころではない」という印象が感じられる。


ちなみに第二位の「お金」についてだが、調査結果別項目で「重要だと思う」派の割合が最も多いという結果が出ている(単に「そう思う」だけなら「マナーや一般常識は大切にしたい」の方が上)。別調査でも【あなた、貯金してます? 20代の8割が「毎月貯金」】という結果が出ており、この傾向は新成人だけでなく若年層全体に渡っているものと思われる。この一因はやはり【「年金なんて信頼できない」新成人は8割を超える】にもあるように、将来に対する経済的な不安から来るものだろう。

若年層の主張イメージ一部には「若年層がお金を使わないライフスタイルに変わりつつあるから、内需が拡大しない・景気が悪化する」と批判する意見もある(特に中堅から壮齢層にこの意見が多い)。しかし新成人の例を見ても経済観念は(意外に、あるいは当然の如く)しっかりしており、将来を見据えてリスク回避のために消費を抑え、貯蓄をしている姿が想像できる。

「若年層がお金を使わない」と批判している方々自体、果たして「しかるべき」消費をしているのか(浪費、ではない)。若年層が貯蓄している、というより貯蓄せざるを得ない状況(可処分所得の減少も一因だろう)を改善しようと手を差し伸べているのか。逆に新成人をはじめとする若年層に反論されかねないのが現状ともいえる。その反論を受け、彼ら壮齢層は胸を張って応えることができるだろうか。

今調査結果には新成人をはじめとした若年層の声無き声が、見え隠れしているようですらある。


(最終更新:2013/07/31)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ