「中国産生鮮食料品がもっとも不安」日中両国民が回答
2009年01月09日 06:30
日本リサーチセンターは1月5日、中国社会科学院・新聞コミュニケーション研究所・調査センターとの共同調査結果を発表した。それによると、主要各国産の生鮮食料品に対する安全性の不安について、日中両国民とも「中国産の生鮮食料品が一番不安を感じる」と回答していることが明らかになった(【発表ページ】)。
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今調査は日中別々の調査機関・方式でほぼ同時期に行われたもの。日本は17~79歳の男女に対して面接などの直調査で2008年11月5日~17日の間に行われ1200人の有効回答から分析。中国は主要15都市において18~59歳の男女に対しインターネット経由で2008年11月13日~19日にかけて行われ有効回答数は1266人分。男女比、年齢階層比などは非公開。なお中国のインターネット普及率は2008年6月時点で19.1%(【中国IT白書より、PDF】)であることから、中国の回答者は中国の国民の中でも比較的富裕層・知識層に属しているものと想定しデータを見る必要がある。
生鮮食料品を購入する際、産地毎に安全性について不安を感じるか否かを質問したところ、日本では日本産=自国産、中国ではオーストラリア・ニュージーランド産がもっとも安心できるという回答が得られた。
次の国の生鮮食料品の購入について安全性の不安があるか(日本国内調査)
次の国の生鮮食料品の購入について安全性の不安があるか(中国国内調査)
・両国民ともEU諸国やオーストラリア、ニュージーランドに対する食品への信頼度は高い
・日本は特に中国産に対する拒否反応が強い
・日本は自国産以外への信頼度が低め
・列挙された諸国内では日中双方とも中国産が一番ハイリスクと考えている
日本人の中国産アレルギーはここ数年あたり相次いでいる問題(食品そのもののトラブルに加え、発覚後の対応)によるところが大きい。またヨーロッパ諸国への信頼が高いのは【「健康・安全」第一、「もっとも安く・安全面に一番問題」は中国・韓国産~主婦の食への考え方調査】でも触れているように、以前からの傾向である。また、日本人によるアメリカ産の信頼度が意外に低いのは牛肉問題によるものだろう。
しかしそれより注目すべきことは、中国人自身も列挙された諸国産の中では「一番中国産(つまり自国産)が不安を感じる」と答えていること。報道に対する姿勢が他国と違うとはいえ、幼児用粉ミルクの件をはじめ多くの中国国内における被害者が出た問題が相次いで伝えられるに及び、不安を感じざるを得ない状況にあるのだろう。
最近ではハチミツの純度、偽装関連が改めて問題視されている。話題は尽きることがない。食品に対する両国民の厳しい目は引き続き向けられ続けることだろう。
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