新成人 未来に馳せるその想い「日本は暗く 自分は明るい」

2009年01月08日 08:00

未来イメージマクロミルは1月7日、2009年に成人式を迎える人たちに「新成人に関する調査」を行った結果を発表した。それによると、多くの新成人が「日本の未来は暗い」と考えている一方で、自分自身の未来は「明るい」と答えた人が多数を占めていたことが明らかになった。社会全体に対する不安感が高まりを見せている中でも、自分自身への希望は失わない新成人の心構えが見て取れる(【発表リリース】)。

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今調査は2008年12月17日から18日の間、2009年に成人式の参加対象となる人を調査母体としてインターネット経由で行われたもの。有効回答数は516、男女比は1対1。

「未来への想い」について、自分と日本それぞれに対しどのように考えているのか尋ねたところ、まず「自分」については「明るいと思う」派が64%を占めていた。

自分の未来について
自分の未来について

強く「暗い」「明るい」と思う人はそれぞれ1割前後しかいないが、「どらちかといえば」というそれなりの意思を持つ人は「明るい」だけで過半数、「暗い」で3割近くを占めている。具体的な理由としては、「明るい」が「将来の目的が明確」「可能性がある」など新成人らしい「自分で切り開く将来」に関する内容が多く寄せられていたのに対し、「暗い」では「不況」「就職活動」など「現実に迫っている目の前の状況」に対する不安が多数を占めていた。

他方「日本」については「明るいと思う」派はわずか18.2%。残りの8割以上が「暗いと思う」派だった。

日本の未来について
日本の未来について

それぞれを見てみると、「明るい」では「自分たちが明るくしていこうと思う」「日本人にはこの不況を乗り越える力がある」など自分自身の意思、決意を感じ取れる回答が多い。一方「暗い」では「政治不安」「不況」「内定取り消し」のニュースで不安を感じているというコメントが多く見受けられた。


日本人で日本に居住している以上、自分自身も「日本」を構成する一部分。全体から見れば力はほんのわずかで砂粒みたいなものでしかない。しかしそれでも確かに日本の一部には違いない。「暗い」と思っている人は「自分ひとりが頑張ったところでどうにもならない」というあきらめがあるのだろうが、そのあきらめが全体はもちろん、自分自身にもマイナスの結果をもたらしうることを再認識するべきだろう。

また、具体的な理由で気になった傾向を二つほど挙げるとすれば、

・「明るい」項目の意見には「自分」が主語となる「自ら率先して」というニュアンスのものが多い。一方で「暗い」では周囲環境や雰囲気に流されて回答したものが多数を占めている。
・「日本の未来が暗い」と考えている項目においてのみ、「ニュース経由でその心境に追いやられた」という意見が多い。


が挙げられる。前者は「前向きに物事を考えて自ら前に進もうという意欲」が、未来に対する明るい展望を導き出せるという一例になるだろう。また後者は、報道のありかたそのものにも疑問符を投げかけるものとなるかもしれない。

後者は主旨が別のところにあるのでここではおいておくとして、前者は「ポジティブシンキング」の効用を指し示しているともいえる。特に「明るいと思った方が生きてて楽しいから」など、「自分の未来・明るい」項目の人たちの意見は参考になるはずだ。

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