外食は「おいしさと安さ」内食は「おいしさと栄養バランス」、求めるものの微妙な違い
2009年01月05日 06:30
らでぃっしゅぼーやは2008年12月8日、「内食と外食」に関する意識調査の結果を発表した。それによると、外食に何を求めるかという問いにもっとも多くの回答が寄せられた選択肢は「おいしさ」だった。他方内食でも「おいしさ」が最上位についているが、ほぼ同数で「栄養のバランス」が多くの同意を得ており、特に女性に限ると「おいしさ」以上の回答が寄せられている。「おいしい」ことは大前提であるが、内食では「栄養バランス」も注意する必要があるようだ(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は20代から60代の既婚者1000人に対してインターネット経由で行われたもの。回答者の区分は非公開。機野菜、無添加食品などの宅配サービス会社が行ったアンケートであり、食材の安全・新鮮味や内食に多少なりとも傾注している人が調査母体となっていることを前提に、データを読む必要がある。
外食と内食、それぞれにどんな要素を求めているか複数回答で尋ねたところ、外食では「おいしさ」がダントツでトップ、次いでやや票数が下がって「安さ」がついた。内食では「おいしさ」が「栄養のバランス」とほぼ同数の結果が出ている。
外食に求めるもの
内食に求めるもの
可処分所得(要はふところ事情)が厳しくなる昨今、特に出費がかさむと思われている外食については「安さ」がトップにくるのでは、というイメージがある。しかし実際には圧倒的な得票で「おいしさ」が最上位についた。特に女性では「安さ」2倍もの差がついている。「どのみち外食を利用するなら、やはりおいしくなくては。安かろう悪かろうでは外食をした意味が無い」という意向が働いているのだろう。
「栄養バランス」
「安さ」「安全性」など
家庭の食生活を守る姿勢が
前面に出ている。
これが内食になると事情は大きく異なってくる。「おいしさ」が求められる点は外食と変わらないものの、それとほぼ同じ、女性にいたっては「おいしさ」以上に「栄養のバランス」が求められていることが分かる。「安さ」「安全性」の項目も男性より高いところから、家庭の食生活を守る主婦ならではの主張が見え隠れしている。一方で「手作りの愛情」は男性より8ポイント近く低い値が出ており、手作りか否かはあまりこだわっていないようにも見える。
外食・内食を問わず、食事では「おいしい」ことが大前提には違いない。しかし外食では「安さ」、内食では「栄養バランス」が次に重要になる点で大きな違いがある。特に外食では「メニューの自由度」以下の回答は押しなべて得票数が低く、「安さ」も順位としては二位ではあるものの、「おいしさ」に比するとかなり値を落としているのが分かる。
不景気の最中、外食産業でも「廉価メニュー」を取り揃えた店舗が人気を博している。しかし「安さ」は第二番目のポイントに過ぎない。「安さ」を凌駕(りょうが)する「おいしさ」を提供できれば、その外食店に向かうお客の数は減るどころか増え得ることを、今調査結果は表しているといえよう。
……不景気な時に限った話ではないのだけれども。
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