「休み中でもケータイ利用はいつも通り」パソコン・ケータイ向けサイトの長期休暇中のアクセス傾向について
2009年01月02日 12:00
直前の記事で2008年12月分の運用レポートを掲載したが、その際に少々気になることがあった。文中で何度となく「12月後半は冬期休暇に入るため学校・会社からのアクセス頻度が減り、結果としてアクセス数も減少する傾向がある」ことについて言及したが、同一内容を提供している【携帯電話向けサイト】でも同じような傾向は見られるのだろうか。「忙しさ」という点では来場者の事情は変わらないものの、アクセス端末は手元にあるから「場所による制限」は無い。「学校にいかないから学校からのアクセスは出来ない」ということもないから、あるいはパソコン版サイトとは違った傾向が見られるかもしれない。
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早速2008年12月1日から2009年1月1日までの、当サイト(Garbagenews.com)のパソコン向けサイト(本家)と、携帯電話向けサイト(コンバート版)それぞれについて、毎日のアクセス数を抽出してみた。
本家(パソコン閲覧向け)サイトアクセス状況
携帯電話向けサイトアクセス状況
本家サイトの凸凹が大きいこともあり、やや分かり難いかもしれないが、「本家」が16日前後の大きな盛り上がりを最後に平坦化し、さらにその平均値も多少下向きになっていることが確認できる(補助線として「15日までの最低アクセス数」で横線を引いたのでそれで分かるはずだ)。
一方携帯版は12月中旬を越えてもアクセス数の減少傾向は見られず、いつも通りの状況が継続している。むしろ大晦日を挟んだ年末年始において、次第にアクセス数が上昇する場面すら見られる。
制限されるので長期休暇時には
アクセス数が減少する傾向。
・携帯経由は環境制限がないので
長期休暇時でもアクセス数は変わらず。
むしろ自由時間が長くなり、
増加する傾向もありうる。
【携帯の利用頻度は「メール」「通話」「ネット」の順、お昼と帰宅後はメールばかり】や【現代人は夜更かしさん? 過半数は日が変わってから「おやすみなさい」】、そして特に【携帯と料理レシピ、二つの事例でサイトアクセスの「特異性」を検証する】では実証データ込みで検証・分析しているように、携帯電話によるアクセスは「場所を選ばない」「短時間でアクセスできる」「帰宅してからのアクセスが特に増え、夜半まで続く」傾向が強い。とりわけアクセス環境を固定化されないのは強い点で、自宅でも出先でも閲覧できるから、長期休暇中であっても「環境の制限」というハードルが無い。従って、パソコン版サイトに見られる「会社や学校経由でのアクセスが減るので、全体的なアクセス数が減少する」という傾向も無いものと思われる。むしろ自宅にいる(自由)時間が増えるので、閲覧数が増加する傾向すら見受けられる携帯サイトもあるだろう(当サイトの場合は横ばいだったようだが)。
「閲覧者の傾向を把握して提供するサービスの改善を行う」のはウェブ管理運営だけでなく、すべてのサービス・ビジネスにおいて重要なポイント。当サイトの場合には、「長期休暇時におけるパソコン版(本家)のアクセス減少分を携帯版がカバー(補完・ヘッジ)している」ことになるのだろう。もっとも携帯版ではパソコン版と違い、(主にサーバー上の問題から)色々と機能制限があるので、実質的にはそれほど「ヘッジ」の役割を果たしていないのがホンネのところなのだが。
ともあれ、文章上はほぼ同じ内容を提供している「パソコン版」「携帯電話版」両者において、「長期休暇期間」という観点から見ただけでも、これだけの傾向の違いが見られるのが分かる。「所詮インターネット経由でデータを送りつけてそのデータを変換して見てもらうのだから、詰まるところは同じでは」と単純に考えていると、その特性を活かすことは出来ないだろう。
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