今調査は20代から60代の既婚者1000人に対してインターネット経由で行われたもの。回答者の区分は非公開。機野菜、無添加食品などの宅配サービス会社が行ったアンケートであり、食材の安全・新鮮味や内食に多少なりとも傾注している人が調査母体となっていることを前提に、データを読む必要がある。

子どもの頃から慣れ親しんだ、言い換えれば成長過程で舌にその味をしみ込ませられた、懐かしくて何度でも飽きずに食べられる味。「おふくろの味」をやや無理めに表現するとこのような形になる。料理をする者には永遠のライバルであり到達課題でもある「おふくろの味」は、どのような食品に対するものだろうか。男性では「みそ汁」、女性では「煮物」がトップについた。

おふくろの味(男性)

おふくろの味(女性)

テレビや雑誌などで目に留まる「おふくろの味」というと、「肉じゃが」がまず頭に思い浮かぶ。「おふくろの味である肉じゃがを上手に作って、男性のハートをしとめよう」といった話を耳にしたことは一度ならずともあるはず。しかし今調査ではその「肉じゃが」を抑え、「煮物」そして「みそ汁」が上位についている。今後料理で男性を射止めようと考えている女性陣は、肉じゃがだけでなく煮物とみそ汁を美味しく作る必要がありそうだ(笑)。

順位に差異があるものの、上位トップ3は「みそ汁」「肉じゃが」「煮物」が占めている。第四位以降は得票数がケタ違いに少ないことょを考えると、事実上この三品が「おふくろの味」と考えてよさそうだ。

第四位以降は得票数が少ないので「ぶれ」が生じている可能性はあるが、「カレーライス」「漬物」「豚汁」「おでん」などが確認できる。また表上には無いが「卵焼き」も上位にあるとリリース上コメントで確認できる。食品名としては非常にオーソドックスでシンプルだが、家庭毎の個性・特徴が出るメニューが「おふくろの味」としてリストアップされているのが分かる。

冒頭で「おふくろの味」を「子どもの頃から慣れ親しんだ、言い換えれば成長過程で舌にその味をしみ込ませられた、懐かしくて何度でも飽きずに食べられる味」と定義した。この定義で首を横に振る人はいないはずだ。さて、現時点では「みそ汁」「肉じゃが」「煮物」という結果が出ており、これにも納得する人は多いだろうが反論を唱える人はほぼ皆無だろう。

一つ気になるのは「子どもの頃から慣れ親しんだ」という部分。全体像を計測した調査結果が手元にないので詳細は不明だが、昨今ではハンバーガーをはじめとしたファストフード、インスタント食品やコンビニ系の食事、さらにはお菓子などが「主食」の子どもが増えているという。色々な事情があるのだろうが、彼ら・彼女らにしてみれば、それらハンバーガーなどが「慣れ親しんだ」味ということになる。

今後十年単位で時間が経過すれば、「おふくろの味」としてハンバーガーやコンビニ弁当、牛丼やラーメンなどの「非手作り系」の食品が上位に顔を見せることが起きてくるのだろうか。今現在では「そんなバカな」と笑って済ませられる話だが、将来もずっと笑っていられるかは分からない。非常に気になるところだ。