バンナムHD、人事と体制の刷新を発表
2009年01月29日 08:00
【バンダイナムコホールディングス(7832)】は2009年1月28日、来年度(2009年4月1日以降)から高須武男社長が代表権付の会長に就任、石川祝男取締役が社長に昇格するなどの人事を発表した。また子会社の合併や分割など、国内の体制を刷新することも明らかにした。来年度から海外事業の強化を柱とした中期経営計画をスタートするため、体制の大幅な刷新を図るためのものとしている(【グループ再編リリース、PDF】)。
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現在のバンナムHDは2005年9月にバンダイとナムコが経営統合して発足(それ以前に、現在の【セガサミーホールディングス(6460)】の片割れであるセガと、バンダイが合併する話も一時期進展していた)。
一連の体制変更内容は次の通り。
・バンダイナムコゲームスとバンダイネットワークスを合併。
・バンダイビジュアルとアニメチャンネルを統合。音楽映像ビジネスの強化。
・エモーションの音楽事業をランティスに承継。音楽原盤の一元管理化。
・高齢者介護事業を新設の別会社「かいかや」に承継。ナムコはアミューズメント施設事業に特化。
・高須武男社長が代表権付の会長に就任、石川祝男取締役が社長など
今回大規模な体制刷新と人事異動を行うのは、バンダイナムコゲームスとバンダイネットワークス合併のリリースにいわく「グループのネットワーク事業における総合力を強化するとともに、異なる強みの融合により、新たなコンテンツや事業の創出を図」るためだとしている。直前に「技術進歩などの環境変化が激しく、グローバル規模での競合が厳しい携帯電話機向けコンテンツ配信などのネットワーク関連市場において、更なる成長を図るため」という説明もあり、ネット関連市場、特に携帯電話市場でさらなるシェア確保を図るためのアクションだと思われる。
また、整理統合の過程で、業務が重複する部分の「むだ」を省く改廃が行われており、バンダイとナムコのそれぞれが持っていた要素の融合がさらに推し進められることになる。
【直近の決算短信(PDF)】では景気後退のあおりやヒットコンテンツ不足などから各部門とも大幅な売上・利益の減少が生じており、効率的な業務遂行のため早急なリストラ(本当の意味での「リストラクチャリング」、つまり再構築)が求められていた。今回の体制刷新・人事異動もその流れをくむものだが、その効果が現れるのは来年度以降になる。
消費者のふところが冷え込む中で、どのように「本当に欲しい娯楽には身銭を切ってでも手に入れる」と思わせる魅力あるビジネスを展開し、提供できるのか。2009年4月以降のバンナムの動きに注目したい。
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