「紙とペン」に比べて2倍の効果も! 携帯メールの食事日記が子どものダイエットを助ける

2009年01月06日 08:00

モバイルイメージが1月5日に伝えるところによると、子どもに携帯電話などのモバイル端末を使った食事の日記をつけさせて報告させることで、日記への取組が長続きし、ダイエット成功への大きなプラス要因となることがアメリカの研究グループの調査で明らかになった。ノートに記録をつけさせる方法と比べ2倍ほど長続きする成果が見られたという。

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これはアメリカのノースカロライナ大学の精神医学部准教授Jennifer Shapiro氏らによるもの。5歳から13歳の子どもがいる31世帯を対象に、8週間の継続調査を行い、その様子を確認した。text message(アメリカにおけるモバイルフォンのショートメール。日本なら携帯電話のメールやショートメールに該当する)を用いて自分の食事の状況を報告した子どもたちは、すぐに目標値などが記された返信メールを受信できたが、ノートとペンで日記を書いた子どもたちは一週間ほど待たねば栄養士の返事を得ることができなかった。結果として、text messageグループはノート・ペングループと比べ、ダイエットの期間が2倍も長続きしたという。

このレスポンススピードの差が、ダイエットが長続きした要因であるとShapiro准教授は語っている。いわく

「反応が(すぐに)あるということはとても重要。誰かが見てくれているという気持ちを感じることが、日記をつける義務感を子どもたちにもたらしている。
(Feedback is very important.It makes them feel like there is someone on the other line paying attention, and they need to be more accountable.)」


「携帯電話によるメールを使った試みは、とりわけ新世代(=子ども)とのコミュニケーションツールの有効活用手段として興味深い」と賛意が示されつつも、今回の研究では「両親も参加しているし、当事者の子どもの年齢にも大きな幅がある」「ノートとペンを用いたグループも含め、調査に参加した子どもは当初”全員が”text messageの利用を希望した」ことなどから、さらなる研究と調査が必要だと指摘する研究者も多い。後者は要するに「自分が望むツールを使えなかったので、ダイエットにも飽きやすくなったのだろう」とする論調だ。

指摘にあるように、「携帯メールが子どものダイエット管理に役立つ」と断定するには、さらなる検証が求められよう。ただし、携帯電話をごく普通のおもちゃのように使う世代にとって、「自分の往信に対してすぐに返事がくる」のは当たり前の事象として頭に刻み込まれている。そのような反応が無い旧来の方法(ノートに書いて栄養士に提出して返事を待つ)のでは、確かにしびれを切らしてしまうかもしれない。

日本では幸いにも携帯電話を用いたサービスや携帯ゲーム機とソフト、そして【ダイエットを助けてくれるデジタルサービスと「お皿」】でも紹介したようにパソコンのウェブサービス上で、ダイエットを手助けしてくれる手段が用意されている。一部には他の参加者と競ってダイエットする機能や励ましのメッセージを受けられる機能など、今回の研究者や参加者が耳にしたら腰を抜かすようなサービスまで取り揃えているところもある。

ハイテクに振り回されるのではなく、有効活用することで、自分の生活や健康をよりよいものにしていくことこそが、賢いデジタル社会の過ごし方といえよう。携帯やパソコン、ゲーム機を使ったダイエットもまたしかり、である。


(最終更新:2013/07/31)

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