2009年の投資家が避けるべき4つの「落とし穴」
2009年01月14日 12:00
2007年夏に「サブプライムローン・ショック」という形で顕在化したアメリカの金融(工学)危機はとどまるところを知らず、現在においても世界中に拡散する状況にある。投資信託は評価額割ればかりのものとなり、投資家の多くは頭と共に評価損を抱える羽目におちいっている。しかし市場はいつまでも下落を続けるわけではない。今年がその年であるかどうかは終わってみるまで分からないが、希望がまったく無いわけでもない。このような「カオスな」市場状況の中で、今後市場推移がどのようになろうとも、個人投資家がしてはいけない「4つの禁則」をAskMen.comでは語っている。いわく【2009年の投資家が避けるべき4つの「落とし穴」(4 Investing Pitfalls To Avoid In '09)】である。
スポンサードリンク
1.仮装売買(Wash Sale)
原文ではアメリカの投資における税法上の特例事項について、その事項が適応されるような売買(Wash Sale)をするな、という説明がなされている。具体的には「含み損を持つ株式を一端売却して損失を確定し、その直後に再購入すれば損失で税金を押さえられる上に同じ株式を持ち続けられる」という考え方に対し、アメリカの税法上、売ってから30日以内に同じ株式を買った場合「Wash Sale」と見なされ、売った時の損失が「損」として計上できなくなるというもの。細工をすべく最初に買い増しをし、同じ株式を30日以内に売った場合もアウト。
日本の場合には「クロス取引」が該当する。一定の条件に該当する取引をのぞけば、経済合理性のない仮装売買と見なされる場合があるので、特に規模が大きな場合は注意が必要。「コツ」と見なすのか「姑息な手段」と見るのかは個人の判断にお任せする。……もちろんそんな手法をしなくとも損なり益が出ている人には関係のないお話(笑)。
2.一度にまとめ買い
市場動向がどのような展開を遂げるにしても、2009年は投資を「試みる」にはよい機会となるはず。ただしいちどきに全力投入するのは愚の骨頂。時間をおいて定期的に小刻みに分散投資することにより、リスクを最小限に抑えることができる。いわゆる「ドルコスト平均法」というものだ。もちろん投資先を厳選しないと、砂漠に水を与えるようなヘマをやらかしてしまう結果になるので注意が必要。
3.集中投資
明確な、そして確率のきわめて高いビジョンと分析力を持っているという自覚が無ければ、ハイリターンはともかくハイリスクを避けるためには、特定のセクター・業界・業種・企業への投資はひかえた方がよい。当たった時のリターンは大きいが、外れた時のダメージもぼう大なものとなり、それは投資ではなくギャンブルになりかねないからだ。いわゆる【「かごの卵」とリスク分散】で説明した「カゴと卵」の論理。
4.配当のみによる選択
株式投資において「確定益を求めるのか(キャピタルゲイン)・配当などをあてにするのか(インカムゲイン)」は非常に重要な問題。特に後者では、配当の高低が銘柄選択の重要な要素となる。だからといって、配当「だけ」に注目していると、突然減配が行われたり、果ては無配に転落するという「ワナ」に引っかかる可能性がある。特に最近では株価低迷のため、見た目(例えば四季報やヤフーファイナンスなどネット上の株式情報)では配当利回りが高く、2ケタ%に達しているものもよく見かけるようになったが、その点だけで銘柄選びをしてはいけない。
例えば「3.集中投資」では、かのウォーレン・バフェット氏は「分散投資は小鳥のつまみ食いのようなものだ」として避けるべき投資法として言及している。しかしバフェット氏本人も複数銘柄を対象に投資をしているし、「集中投資を善し」とするのはその銘柄への絶大なる(ローリスクであるという)自信があるからに他ならない。
そこまでの分析力・自信・技術がない大多数の投資家(当方=不破含む)には、ある程度の分散投資を心がけた方がリスク軽減には役立つだろう。ちなみに「絶大な自信を持って銘柄を選んだ」バフェット氏も損をしたことはあるし、かのCDS関連銘柄に手を出して手痛い損失を受けるという経験も持っている。
また「4.配当のみによる選択」は、もう少し注意深く、色々な条件を加えることにより、「落とし穴」ではなく「桃源郷への案内口」(まるで「おむすびころりん」の話のように)に生まれ変わる可能性もある。これについては機会とリクエストがあれば、日をあらためてお話するとしよう。
スポンサードリンク
ツイート