金もプラチナも取扱量大幅増加~田中貴金属、2008年の投資用金地金とプラチナ地金取扱量総感を発表
2009年01月22日 08:00
田中貴金属は1月21日、2008年における金地金・プラチナ地金に関する取扱量の総感を発表した。それによると、金地金は4年連続で年間買取量を更新し、プラチナ地金は販売・買取とも過去20年間で最高の取扱量を記録するなど、貴金属地金市場が活性化した状況が見て取れる。田中貴金属ではこの状況について「世界的な金融不安と景気後退から、安全資産としての金に注目が集まっている。一方でプラチナ地金は価格急落により販売量が激増した」と説明している(【発表ページ】)。
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過去5年間の月次金価格推移
過去5年間の月次プラチナ価格推移
金地金とプラチナ地金について、同社側ではそれぞれ次のように説明している。
■金地金
・年間平均2937円/グラム。2001年以降では最高値。
・上昇基調続き、株価急落後も下落率が低い傾向にあったため、安全資産として注目を集める。
・2008年の買取量は販売量の1.8倍、過去最高だった2007年の実績の20%増し。
・販売量も増加。10月には2002年2月以来の月間販売量を記録。現在も、販売量が購入量を上回る。2008年分は2007年の105%増しとなり、こちらも2002年以来の多さ。
■プラチナ地金
・年間平均5409円/グラム。2001年以降の年間平均価格を上回る。
・6月までは価格急騰のため買取量が急増。しかしその後景気後退感で需要減少(特に主な利用先である自動車の販売が軟調なため)から価格が急落。
・10月は過去20年間で最高の月間販売量を記録。現在も割安感から販売量が高い水準で推移。2008年1年間では買取量の2.7倍、2007年実績の426%増し(買取量は2007年比で49%増し)。
金地金は「価格が比較的安定している投資対象」、プラチナ地金はそれに加え「お買い得(に見える)価格帯へのスライド」が、取引の活性化をうながしているのが分かる。特に株価が大きく下落したことが「中長期的に見て確実に『資産』に出来る貴金属地金」に注目が集まった原因のひとつのようだ。
プラチナ地金は上記説明にあるように、主な需要先の自動車産業が低迷を続ける中で、さらに安値で推移する様相を見せている。一方金地金は「有事の金」という言葉にもあるように、国際情勢が騒がしくなるたび、さらにはアメリカ国債などの各国国債が(金融危機への手当てのため)大量に発行されて流通通貨の価値が希薄化するのではという懸念から、乱高下を繰り返している。
昨年2008年は需要急増でプラチナコイン・金コインの供給が追いつかず、一時取り扱いを停止せざるを得ない状況も見られた。今年も金融市場の動向いかんでは、似たような場面が見受けられることだろう。
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