深刻化する不眠状況・眠るためにクスリやお酒に頼る人、歳・年と共に増加中

2008年12月30日 08:00

お薬イメージ厚生労働省は12月25日、「2007年国民健康・栄養調査結果の概要について」を発表した。それによると、眠るために睡眠薬や安定剤などのクスリ、あるいはお酒を使うことのある人の割合は全体的において前回の調査(2003年)と比べて増加する傾向にあることが明らかになった。また、年齢層別にみると50代以降、特に女性で増加する傾向が見られる。70代以上になると「時々ある」以上の頻度の人は3割に達していた(【発表リリース】)。

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今調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況や栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにして、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得るために行われているもの。今回は無作為抽出された300単位区内の世帯約6000世帯分、さらに該当する世帯の1歳以上の世帯員約18000人に対して行われている。

心身を休ませ活力を取り戻す、もっともシンプルで誰でも出来る行動が「(時間、深さ的に十分に)寝ること」。しかし中にはなかなか寝付けない人、さらにはほとんど眠れない人(俗にいう「不眠状態」)もいる。最近では特に「不眠」状態の人が増えているという話も耳にする。

「不眠」を解消できると思われている療法の一つがお酒の酔いを利用するもの。またその一方で医者への相談などを経て、睡眠薬や安定剤を用いる方が確実性は高い。どちらにしても自主的に眠れないため外部的な要素に手助けしてもらっていることになる。

これらの要素「酒」「クスリ」に頼っているか(もちろん両方とも合法的な意味で)否かについて尋ねたところ、全体では男性2割強、女性2割弱が何らかの頻度で使っていると答えた。

眠るために睡眠薬や安定剤などの薬、もしくはお酒を使うことがある
眠るために睡眠薬や安定剤などの薬、もしくはお酒を使うことがある

・20代は1割前後と低い。
・男性は30代~50代になると2割前後に増加。女性は50代まで1割を維持。
・男性は60代以降漸増の傾向。
・女性は50代以降急増し、70歳以降になると男性の割合を超える。
・50代男性、20~30代女性以外は前回調査より増える傾向。


男女別で女性の方が低い値を示しているものの、50代以降になると急速に増加し男性の値においつくのは、更年期障害などによるものだろう。この傾向は前回調査と変わらない。

むしろ気になるのはほとんどの区分層において4年前の前回調査から増加する傾向が見られること。具体的な増加率などはもう少し調査の回数を置く必要があるものの、ほぼ確実に「不眠」と自身が考え、医者のお世話になったりお酒に頼る人が増えていることになる。

「不眠」という症状・現象は体外的な影響が見えてこない限り、他人からは分かり難い。そのために理解されがたい症状ではあるが、本人にとっては辛いものであることにかわりはない。酒に頼るのはお勧めできないし、できれば医者にかからないような身体と周囲環境を作り上げていきたいものだが、昨今の世の中ではそれも難しいようだ。


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