ネット通販の「ポイントボーナス」、キャンペーンは多いけど……!?
2008年12月23日 12:00
矢野経済研究所は12月22日、「主要ネット通販サイトにおけるポイントプログラムの実施状況やその内容に関する調査結果資料」の販売開始を発表すると共に、その一部結果を公開した。それによるとネット通販サイトのポイントプログラムにおいて、ポイントが通常より加算されるサービス(ボーナスポイント)の機会は「キャンペーン/特定商品」である場合がもっとも多く、実店舗でよく行われている「期間限定」のものはほとんど実施されていないことが明らかになった。ネット通販と実店舗販売との大きな違いが再確認できるデータといえる(【発表リリース】)。
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今調査は8月~11月までの間、主要ネット通販サイト(物販系)836サイトを対象に、それぞれのウェブサイト上のデータを集計したもの。
ポイントプログラムでは会員登録に始まり、商品やサービスの購入・利用、アンケートの回答、商品の感想の書き込みなど、多種多彩な行動で店舗に貢献することによって、その見返りとして「ポイント」を受け取ることができる仕組みがとられている。
しかしその一方、実店舗ではよく見られる「特定曜日・特定日・特定期間・特定時間帯」という日時指定におけるボーナスポイント、いわゆる「タイムサービス」の存在はネット通販サイトではそれほど多くない。というよりほとんどない。
ネット通販サイトにおけるポイント加算サービス(ボーナスポイント)の内容
これは【「そこに商品があるからだ」ではなく……インターネットで買い物をする理由】などで解説されているように、「ネット通販では時間を気にせず購入ができるため、逆にタイムサービスの概念が無い」「『この時間帯はお客の入りが少ないから、手厚いサービスを提供することで集客しよう』という店舗側事情が存在しない」のが最大の理由。サービスを展開する必要がないのだから、ほとんど存在しないのは当然の話。例えばネット通販で「午前3時に購入すればポイント2倍」といったサービスなど聞いたことが無い。
・実店舗……閑散時の穴埋め
・ネット通販……
イベント発生時の上乗せ、かさ上げ
ただし最近では、例えば「クリスマス」などのような季節性イベント、さらには楽天市場で行われている「東北楽天ゴールデンイーグルスが勝った翌日はポイントがプラスαされる」などの例にあるように、日常と違った機会において「より購入意欲を高めるため」のサービスが最近見かけられるようになった。
つまり実店舗では「閑散時の穴埋め、集客」を目的としてタイムサービスを実施しているのに対し、ネット通販では「イベント発生時にお客の購入意欲を高める・通常から上乗せする」のを目的としている。これが実店舗とネット通販におけるタイムサービスへの考え方の最大の違いといえる。
直上の事例では楽天市場のタイムサービスは非常にうまいやり方といえる。「クリスマス」「こどもの日」など暦上のイベントの場合「何かタイムサービスがあるかも」という想定はできるが、確証は持てない。ところがあらかじめ「楽天球団が勝ったらその翌日はポイント2倍」とルールで定めておけば、多くの人が気軽に入手可能な情報で、「タイムサービス」のタイミングを確認できるからだ。
プロ野球球団を持つ楽天ならではの仕組みだが、ネット通販ではこのような「工夫」も一つの集客のコツといえるのだろう。
(最終更新:2013/08/01)
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