自動車の国内需要をグラフ化してみる
2008年12月19日 06:30
日本自動車工業会は12月18日、2009年における新車の販売台数の見通しを発表した。それによると2008年の自動車(四輪車)の需要は511.2万台・前年比95.5%にとどまり、来年の2009年には486.0万台・前年比95.1%に落ち込む予想であることが明らかになった。500万台を割り込むとなれば、実に31年ぶりのことになる(【発表ページ】)。
スポンサードリンク
リリースによると今年、そして来年の需要減少の大きな理由としては、
・2008年……燃料価格高騰による景気減速、消費意欲の減退。秋以降は金融危機などによる経済環境の大幅な悪化。
・2009年……経済環境の厳しさ継続。企業収益の低迷、雇用・所得環境の悪化による個人消費の伸び悩み。
などが挙げられる。
今回のリリースには1989年以降の各種データが公開されていることもあり、そのうち自動車についてグラフ化してみることにする。まずは全体の単純推移。
自動車国内需要台数
この後のグラフにもいえることだが、2003年において計測方法の変更(登録車の分類基準をシャシーベースからナンバーベースに変えた)が行われており、データの完全な連続性はない。特にトラックで差異が大きく生じているので注意が必要となる。また2008年分は一部、2009年分は全部が工業会側の推測値となる。
データの非連続性は別にしても、日本国内における需要は漸減していることが確認できる。
続いてこれを主要車種別に分けたもの、さらに車種別の需要推移、そして2009年における自動車需要の各車種別割合を前年比でグラフ化したのが次の図。
自動車需要台数推移(2008・2009年は推定)
自動車国内需要前年比(2004年以降)
2009年自動車需要予想(車種別比)
前年比については2003-2004年におけるデータの断続性の関係で特異な値が出てしまっており、グラフとして意味をなさないので、あえて2004年以降で作成してある。
昨今の燃料費高騰のあおり、さらには経費の削減(要求)などもあり、燃料コストを低く抑えられる軽自動車、小型・軽トラックが比較的減少幅を抑えているものの、全般的に需要は減少傾向であることが見て取れる。特に全体の過半数を占める「普通・小型自動車」の落ち込みが大きく影響しているのがわかる。
今データは国内需要に限ったものだが、不景気が国内だけでなく世界的な規模で起きていることもあり、海外需要もさほど違いはなく「国内の不調を海外で補てん」というムシのよい話は通用しそうに無い。すでに主要自動車メーカーは販売不振に減産や社員(派遣社員や期間従業員、場合によっては正社員も)の調整で対応をはじめている。今データの推測が現実のものとなれば、企業側はさらなる選択を求められることだろう。
スポンサードリンク
ツイート