アメリカでのオンラインショッピングの堅調ぶりをグラフ化してみる
2008年12月08日 08:00
経済全体が軟調の中、比較ができることや自宅でも購入手続きがとれることなどのメリットを活かし、オンラインショッピングが堅調に推移していることは先に何度と無く説明している通り。アメリカでは感謝祭直後の月曜日を「サイバーマンデー」と呼び、感謝祭でのまとめ買い・衝動買いと並び「オンライン上での売上が伸びる」傾向がある。その「サイバーマンデー」におけるオンラインショップ上における買い物の傾向が、世界規模のデジタルメディアの利用動向を調査するcomScoreで12月4日に発表された。今回はこれを表組・グラフ化してみることにする。
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まずは「サイバーマンデー」当日のオンラインショップにおける売上状況を昨年の同日と比較してみたのが次の表。
「サイバーマンデー」の売上状況
売上、購買者数ともに大きく増えている……のだが、一人当たりの購入額は減っている。この現象についてリリースでは「不景気のために個人の可処分所得は減少している。しかしオンラインショッピングがお買い得であることが喧伝されて、多くの人が利用するようになった。それと相前後してショップ側でも魅力的な値下げ競争を展開し続けているため、一人当たりの単価が減る現象が起きている」と説明している。一人当たりの取引回数も少しながら減少しており「本当に安いものだけを見定めて注文している」様子がうかがえる。
では彼らはいったいどこにあるパソコンから注文しているのか。「サイバーマンデー」、つまり月曜日であることを前提にして、次のデータを見て欲しい。
サイバーマンデーにおける場所別購入額の割合
半数以上の人が「仕事場」から購入注文を出している。朝方、昼休み、あるいは就業時間後かもしれないが、ともあれサイバーマンデーの注文は仕事場からのものがもっとも多く、次いで自宅という結果が出ている。興味深いのは「海外から」の割合。他の場所からの全体に占める割合がほとんど変わらないのに対し、海外からのものが大幅に増えているのが分かる。「市場の国際化」とリリースでは説明しているが、面白い傾向であることに違いは無い。
なお買い物先のショップという意味での「どこで」だが、日本では馴染みの薄い場所ばかりがリストアップされており、今回はグラフ化を断念した。ともあれ売上が前年比で大きく伸びているのに間違いは無く、日本で知名度の高いところでは「アマゾン……+56%」「ウォルマート……+90%」「eBay……+45%」「トイザらス……+51%」「Dell……+53%」などがある。中には家電量販店のBest Buyのサイトのように+131%というとんでもない数字をはじき出しているところもある。
元々販売額の絶対値が小さかったこと、価格の比較が容易であり時代のニーズに的確に答えられることなどの要因もあるが、オンラインショッピングの伸び率が急激なものであることは間違いない。今データは「サイバーマンデー」だけのものだが、今後年末にかけて(特に価格比較の面で実店舗より有利な)オンラインショッピングは、少なからぬ伸びが期待できよう。
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