新聞問題番外編・家庭内の新聞購入決定権が誰にあるのかを探ってみる
2008年12月07日 12:00
これまで何回かに渡って最新号の『週刊ダイヤモンド「新聞・テレビ複合不況」』を元に、テレビや新聞の抱える問題を考え直してみた。今回は番外編として、たまたま同時期に民間調査会社が発表したデータを元に、「家庭内で新聞を購入する決定権を持っているのは誰か」を探り、それを元に「新聞がなぜ売れていないのか」を考えてみることにする(テレビ番組は購読のしようがないので省略)。元データは、ハー・ストーリィが12月4日に発表した「女性の購買決定権に関する調査結果」(【発表リリース】)。
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新聞が購入されるルートは大きく分けると「個別家庭」「駅売りをはじめとする売店」「企業での一括購入」の3つ。駅売りの販売部数はあなどれないものがあるが、同時に波があるのも事実。売店買取ではないので、売れ残れば「返品」として戻ってきてしまう。企業での一括購入は「買い取り」だが数はそれほど多くない。やはり一番「安定した売上」「部門別で分けるともっとも大きな売上」を挙げているのは「個別家庭での購読」。
その個別家庭において、どの新聞を買うのか、あるいは新聞そのものを購読するか否かについて決定する権限を持っている人について尋ねた結果が次のグラフ。
家庭における新聞購入(購読契約)の決定権
今調査は全国の既婚女性に対して行われたもので、女性側の意見のみがデータとして用いられている。冷静に第三者の目から見れば、もう少し女性側を割り引く必要があるかもしれない。しかしそれを考慮しても、「家庭内における新聞の定期購読に関する決定権は妻側にある」傾向が強いと考えても問題はないだろう。
家庭内における新聞といえば、朝食時に夫がごはんを食べながら新聞を読んで、妻に叱られるというシーンを容易に想像する。読み手も、購入決定権も圧倒的に夫側にあるのかとと思いきや、意外な結果が出たという次第だ。
「ならば女性向けの日刊紙を発行すれば良い」という考えが頭に思い浮かぶが、それでは「駅売りなどの売店」での購読は見込めない。「購入決定権が妻側(女性側)有利にあるとしても、実際には家庭内で誰が新聞を読むのか」という点など考慮すべき点は多く、今回取り上げたデータだけでは推測を深めることはできない。しかし、新聞購読者数の減少をひも解くカギがありそうな気がするのも事実だ。参考にできるデータが調査機関から公開されることがあれば、あらためて考察してみることにしよう。
(最終更新:2013/09/05)
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