同じ部分と違う部分と・「モバイル検索数ランキング」に見る、携帯検索サービスの使われ方
2008年12月02日 06:30
先日【ヤフーの検索ワードランキングに見る「検索エンジン」の使われ方(2008年・年末集計版)】でも紹介したようにヤフーは11月25日、2008年における検索ワードランキングを発表した(【発表ページ】)。総合順位はもちろんのこと、専門検索における検索順位も同時に掲載されていて、面白いデータを確認することができる。今回はそのうち【モバイル版Yahoo!検索】における検索順位を見てみることにする。
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【モバイル版Yahoo!検索】とは携帯電話をはじめとしたモバイル端末用の「Yahoo!検索」のことで、入力したキーワードに関連した携帯電話向けサイト、パソコンサイト、さらには「Yahoo!知恵袋」の検索も可能となっている。要は「携帯電話利用者がどのような情報を求めているのか」がダイレクトに分かるのが、「モバイル版Yahoo!検索」におけるランキングということになる。
1位……mixi
2位……2ちゃんねる
3位……モバゲータウン
4位……スター・ビーチ
5位……YouTube
6位……Mコミュ
7位……Google
8位……Amazon
9位……楽天
10位……ホストラブ
検索エンジンをブックマークとして
使う傾向が見られる
パソコン向けの検索サービスでは、検索エンジンを「その言葉そのものの内容・意味を知りたくて」ではなく「そのサービスへアクセスするためのブックマーク代わりに使う」傾向が強いことは、先の記事で説明した通り。モバイル版でもその傾向がきわめて強いことが見て取れる。【検索サイトのブックマーク的利用率は1割強!?】にもあるように、入力がパソコンと比べると少々煩雑なためにブックマークそのものを利用する人が多いが、一方で【高校生が携帯電話でもっともよく使うサービスは……】の結果からも分かるように少なくとも若年層では「オールマイティなブックマーク」として検索エンジンを利用している(さらにソフトバンクモバイル系の携帯電話では、一発で「モバイル版Yahoo!検索」にアクセスできるボタンがハードレベルで用意されているのも、「ブックマークとしての検索エンジン利用」に拍車をかけているのだろう)。
また、パソコンと携帯電話の環境・機能上の違いもキーワードのランキングから読み取れる。【「ケータイSNS」の傾向を強めるmixi】でも解説しているように、最近ケータイSNSの性質を強めつつあるmixiが最上位についており、パケット量や携帯電話の本体機能上閲覧は不可能に近い動画共有サイト「YouTube」の順位はそれほど高くない。「モバゲータウン」もご存知の通り携帯電話からのアクセスが前提である総合コミュニティサービス。
アクセスを前提にした検索
↓
ブックマークから
サイトへのアクセスを
第三者に知られないための
「工作」!?
気になるのはパソコン版のランキングには見られなかった部類のキーワードの存在。4位の「スター・ビーチ」、6位の「Mコミュ」、10位の「ホストラブ」は、正直当方(不破)も今記事執筆までその名前すら知らなかった。しかし調べてみると、いずれもいわゆる「出会い系サイト」であることが確認できる。性別・年齢階層などどのような区分の人がこのキーワードを使って検索したかは分からないので「どの層が」を断じることは出来ないが、モバイル検索を利用する層の多くが、出会い系サイトへのアクセスを求めていることは間違いない。
さらに一つ推論だが、利用者の立場になって考えればアクセス頻度が高いはずの「出会い系サイト」へのアクセスを、ブックマークではなく検索エンジン経由で行っているのは、「ブックマークを第三者に見られると気まずい(問題がある)」からではないかと思われる。若年層は保護者や友だち、既婚者は配偶者に「出会い系サイトへのブックマーク」を見られたらどのような状況になるかは容易に想像がつく。要はリスク回避手段としての「検索エンジンの利用」なのだろう。
そのような事態を避ける(カモフラージュの)ための検索だとしたら……複雑な気分になるのは当方だけだろうか。
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