アメリカの「全時代を通じてもっとも価値ある自動車」たち
2008年12月01日 08:00
原油価格の高騰がピークを過ぎ、ガソリン価格も落ち着きを見せつつある昨今。アメリカでは自動車本体価格へも注目が向けられるようになった。そこで「発売当時のメーカー小売希望価格(MSRP)」と「現在のドルに換算した価格(現時点で購入する場合の実売価格ではない)」を比較し、その上で「その自動車が適正価格なのかどうか」を見比べ、ランキングをするという企画が【AskMen.com】で行われた。興味深いものがあるのでチェックを入れてみることにする。
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元々の販売価格(MSRP)はあくまでも当時の価格。そして現在のドル換算価格はアメリカ労働省発表の消費者物価指数を考慮し、掛け合わせたもの。全般的にドルそのものの価値下落・インフレは継続しているので、時代をさかのぼるほど「販売当時の」価格は安いものとなる(これは日本も同じ)。
そしてランキングそのものの位置づけは、当時自動車の技術で成しえた・提供できる性能や、その当時の社会情勢で得られたサービスなどを考慮したもの。具体的には「見た目・フォルム」「費用対効果」「経済性」「信頼性」がチェック項目。例えば第5位に1926年製のTフォードが入っているが、たとえ現在のドルベースでTフォードを3110ドルで買えたとしても(性能面で)選ぶ人はいないだろう。あくまでも「当時でなら」ということ。
それでは早速トップ10をリストアップしてみよう。なおドル表記はそのまま100倍すれば円に相当すると考えてよい(レートを大体1ドル=100円で計算するということ)。
フェラーリ 250 GT
カリフォルニア・スパイダー(1960年)
・1位……フェラーリ 250 GT カリフォルニア・スパイダー(1960年)
当時の販売価格……13600ドル
現在価格に換算……9万7264ドル
・2位……ホンダ シビック(1973年)
当時の販売価格……2150ドル
現在価格に換算……1万0251ドル
・3位……シェルビーコブラ(1965年)
当時の販売価格……5595ドル
現在価格に換算……3万7601ドル
・4位……マツダ RX-7(1983年)
当時の販売価格……9895ドル
現在価格に換算……2万1031ドル
フォード モデルT(1926年)
・5位……フォード モデルT(1926年)
当時の販売価格……260ドル
現在価格に換算……3110ドル
・6位……ドッジチャレンジャー R/T クーペ(1970年)
当時の販売価格……3266ドル
現在価格に換算……1万7819ドル
・7位……オースティン・ミニ クーパーS(1962年)
当時の販売価格……1295ドル
現在価格に換算……9078ドル
・8位……シボレー ベル エアコンバーチブル(1957年)
当時の販売価格……2611ドル
現在価格に換算……1万9670ドル
トヨタ カローラ(1976年)
・9位……トヨタ カローラ(1976年)
当時の販売価格……2789ドル
現在価格に換算……1万0376ドル
・10位……フォード ムスタング(1965年)
当時の販売価格……2427ドル
現在価格に換算……1万6310ドル
ランキングを決める際の具体的なパラメータは公開されておらず、編集者の独断と偏見も少なからず含まれているような感はあるものの、全体的には経済効率性(これには信頼性も含まれる。信頼性が低ければ故障が多く修理費がかかり、結局コストパフォーマンスは低くなるからだ)に重点が置かれているようだ。例えば2位の「ホンダ シビック」では、1970年代のエネルギー危機において、シビックの燃費・品質(信頼性)の高さはまさにうってつけのものとして市場に賛美と共に迎えられ、トヨタなどと共にホンダの地位を確固たるものにするまでに時間はかからなかった、と説明されている。初代のバージョンの車体がほとんど見受けられなくなっても、「シビック」の名称とその評価はいまだに健在であるとまで書かれており、ほぼ絶賛状態であることが分かる。
確認した限りでは日本車は3機種。そして今話題のビッグ3の車両は2機種、「フォード モデルT」と「フォード ムスタング」。クライスラーやGMの車両は見つけることができなかった。1車両ずつのみだった(6位・8位)。結局重厚長大をポリシーとするビッグ3の車両群は、現在の「経済性重視」という審査基準では、上位に組み入ることは難しいということなのだろう。
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