シヴィライゼーション レボリューション

『シヴィライゼーション』とは1991年に発売されたパソコン向け、ターン方式の戦略級シミュレーションゲーム。プレイヤーは1つの文化国家のトップの立場から、数千年の長きに渡り文明を栄えさせ領土を広げ、他国との間で外交政策を講じたり、国力を増強したり、技術発展を目指していく。マップはランダムで展開され条件も毎回異なるので、飽きることなく何度でもプレイできる。

シリーズを重ねるにつれて多少の変化・追加要素はあれど、この基本部分に変わるところはない。今回発売される『シヴィライゼーション レボリューション』は初代のシステムをベースに、家庭用ゲーム機向けに最適化された作品のようだ(シリーズ原作者のシド・マイヤー自らが監修だけでなくゲームデザイン・プログラムのリードを仕切っている)。

このタイプのゲームの場合「他国すべてを占領したら勝利」というシンプルな勝利条件のため、どうしても「戦争中心」のゲームスタイルになりがち。しかし『シヴィライゼーション』シリーズでは「勝ち負けの判定」を「世界制覇」に限定せず、国際連合を設立する「文化的な勝利」や宇宙船建造の上、他の星に最初に移民船団を送り込む「技術的な勝利」など、プレイヤーの多種多様なプレイスタイルに対応しているのが特徴。

『シヴィライゼーション』シリーズの特徴の一つは「技術ツリー」。都市を作りゲーム上のユニットを構築するには、それを作り出すだけの「技術」が必要になる。そしてその技術は一つ一つ積み重ねていくことで開発されていく。

例えばいきなり蒸気船を作ることはできず、蒸気機関の技術と船舶の技術が開発されていなければならない。馬車を作るにも事前に車輪のノウハウを学んでおく必要がある。ローマ時代の人がいきなり原子力発電所を作るといった「オーバーテクノロジー」的なプレイは出来ないわけだ。人類の歴史において最先端の技術が、太古の時代からの人々による技術が蓄積された結果であることを改めて認識させてくれるシステムといえよう。

技術ツリー。パソコン版よりは簡略化されている

今回発売される家庭用ゲーム機版では、パソコン版と比べてグラフィックを専用に描き起こすなどのビジュアル面での最適化以外に、デザインそのものを家庭用ゲーム機向けとし、操作系やシステムの一部に手が加えられている。システムに一部略された・合理化された部分があるので、パソコン版と比べればゲームそのものの奥行きには少し欠けるところがあるが、その分ゲーム終了までの時間も抑えられており、まさに「家庭用ゲーム機ユーザー向け」の仕様となっている(通常プレーは3～4時間、マルチプレイは2～3時間)。

『レボリューション』ではPS3・Xbox360版がオンラインマルチプレイ対戦、DS版がWi-Fi・ワイヤレス対戦プレイのように、マルチプレイモードを用意。対人プレイの楽しさと奥深さを体感できる。またPS3とXbox360版ではゲーム内に登場する各種アイテム・文化についてマルチメディア辞典で学べる「シヴィロペディア」が用意されており、辞典としての楽しみも味わえる。

一部情報ではDS版はオンラインヘルプ機能が簡略化されて、事前戦略が重要な今ゲームでは結構悩みどころという話がある。このあたりの仕様は発売後にならないと分からない(あるいはメーカーの正式発表を待ちたいところ)。ともあれ、『風来のシレン』や『トルネコ』などのマップ自動生成系のゲームがもたらす「何度でも新しいマップで楽しめる」ゲームの魅力にぞっこんな人、戦略級のゲームが好きな人には、要チェックなタイトルといえよう。

(最終更新:2013/08/29)

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(最終更新:2013/09/05)