8割強が「金融(工学)危機への不安を感じる」・3割が「節約しなきゃ」
2008年12月26日 06:30
マイボイスコムは12月22日までに、現在の金融(工学)危機とくらしに関する調査結果を発表した。それによると、現在の金融状況に対して不安を感じている人は全体の8割強に達していることが明らかになった。また、その不安を理由に生活費や娯楽費の節約を始めた人も3割前後に達しており、消費マインドが冷え込む直接の要因として金融危機が該当することがあらためて確認できる(【発表ページ】)。
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今調査はインターネット経由で12月1日から5日の間に行われ、有効回答数は1万5130人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代が36%、40代が29%、50歳以上が18%など。
いわゆるサブプライムローン問題に代表される「金融工学」によってもたらされた金融市場の混乱は資源市場、果ては実体経済に渡る不調・不景気をも(まるでドミノ倒しのように)導いている。その根幹となる金融状況に対し、どのように感じているかを尋ねたところ、「大いに不安を感じている」人が45.9%と半数に迫る勢いとなった。
現在の金融状況に対する不安の有無
実に9割近くの人が何らかの形で「不安」を感じていると回答している。「金融」という言葉がどこまでをカバーするのかは今アンケートでは定義されていない。しかし、単に証券・商品先物市場にとどまらず、銀行などの一般的な金銭のやり取り、さらにそれから波及する事柄(例えば商品先物の動向により、実際の商品価格も大きく左右される)まで含めるとなれば、不安を感じるのは当然といえよう。
さらにこの「不安」に対し、何か具体的な対処行動をとったかについて複数回答で尋ねてみたところ、「生活費の節約」が37.1%・「娯楽費の節約」が25.4%と、節約行動のきっかけとなったと答えた人が3割前後を占める結果となった。これだけの人が(金融状況だけでも)「節約」を心に決めているのだから、全体的に消費マインドが低迷するのも当然といえよう。
現在の金融状況に対して何か具体的な行動をとったか(金融状況に不安を感じている人限定)
節約行動に走る人が3割前後いる一方、「特に何もしていない」が5割近くを占める結果となった。これは上記にあるように「金融危機を、その結果もたらされた不景気、実体経済の不調まで含める」ととらえず、単に「株価が下がって土地の価格が落ちただけ。マネーゲームの結果の部分のみ」と考えているがための回答なのかもしれない。結果としてもたらされる「不景気」「物価上昇」まで含む、と設問で明言すれば、生活費・娯楽費の節約に対する回答はもっと増えるに違いない。
例えば金融状況の悪化による状況変化の一つとして、株価が下がっても「直接パンの値段が上がるわけでもなし」と考えるかもしれない。しかし【株価が安いとどんな良いこと・悪いことがあるのか再確認してみる】などで説明しているように、株価の下落だけでも巡り巡って実体経済、すなわち身の回りのあれこれに大きな影響を与えるようになる。これが具体的・直接的には表現されていないから気がつかないだけの話(例えば食パン1斤が「●×製パンの1株あたりの株価と同じ」価格で店舗に毎日並べられるとしたら、●×製パンの株価に皆敏感になるだろう)。
不安を感じたままでいることは、気分も良くないし、身体にも良い影響を及ぼさない。直接金融商品を持っている場合における不安は、例えば【株価の下落によるストレスや睡眠不足から解消される方法】などが解消法の一つとして考えられるが、そうでない場合には個々の状況や「不安に思っている要素」によって、解消する、あるいは和らげる手立ては多種多様・千差万別に及ぶ。
一人で悩むより、インターネットを使い、あるいは知り合いに声をかけて見るのも、解消方法の一つ。たとえ特効薬的な回答が得られなくとも、話を聞いてもらったり、心境を同じくしている人の存在を知るだけでも、案外気持ちは安らぐものなのだから。
(最終更新:2013/08/01)
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