新聞を読まない人の約7割「テレビやネットでニュースを得るから」

2008年12月04日 08:00

新聞イメージインターワイヤードが運営するネットリサーチのDISMDRIVEは12月3日、「新聞」に関するアンケート結果を発表した。それによると、新聞を読まない人の約7割がその理由として「テレビやインターネットでニュースを得るから」と回答していることが明らかになった。既存ライバルメディアのテレビや、新興媒体のインターネットに大きく読者シェアを食われている実情が確認できる(【発表リリース】)。

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今調査は9月17日から10月2日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万0231人。男女比は47.2対52.8。年齢階層比は30代がもっとも多く34.2%、ついで40代30.2%、50代14.8%など。

既存四大メディア(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)の中でも特に影響力が大きく、「マスメディア」と呼ばれることの多いテレビと新聞。運営媒体が同一企業であったりグループ会社の場合が多く、密接な関係にあることがしばしば。そのうち「新聞」について、読んでいない人に対し「なぜ新聞を読まないのか」と複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答は「テレビやインターネットでニュースを得ているから」で7割以上を占めていた。

新聞を読んでいないのはなぜか(複数回答)
新聞を読んでいないのはなぜか(複数回答)

次回調査があれば是非とも「テレビ」「インターネット」を区別して再質問してほしいものだが、ともあれ「新聞」が半ば身内であるはずの「テレビ」、そして媒体の新興勢力ともいえる「インターネット」にシェアを食われているのが分かる。今調査自体がインターネット経由で行われているため、ややネットに有利な結果が出やすいということを考慮しても、これはけっして少なくない数字といえる。

新聞の弱点は
テレビやネットが
持っている長所で
あることが多い

インターネットそのものを「直接的な」原因としているものは「インターネットなどに比べてニュースが遅いから」の21.1%が続答になるが、その他の「価格/購読料」「ゴミ」など多くの点で、新聞そのものの特性あるいは欠点を起因としている。「価格/購読料」が高いからといって、新聞を無料にするわけにもいかない(フリーペーパースタイルにするという手もあるが、現行の新聞配布スタイルを保ったままフリーペーパーにするのは事実上不可能)。「ゴミ」問題については利用者にむしろ「古新聞はこのような使い方ができます」という逆転の発想的な提案をすることも可能だが、根本的な解決策にはなっていない。また、新聞絡みの問題では必ず話題に登る「新聞の勧誘」を嫌悪する意見も24.9%と少なくなく、実に4人に1人がネガティブな印象を持っていた。

一方、これら「新聞特有の問題」はテレビやインターネット、特にネットならば解消できる点が多いのも事実。例えば「価格/購読料」はテレビの場合初期経費はかかるものの、あとは電気料金だけで済む。インターネットもアクセス環境を整備する必要はあるが、あとは電気料金とプロバイダーへの支払いだけでOK。「新聞を読まない」人の多くは、より良いもの、効率やコストパフォーマンスを求めてテレビやネットに流れていることが理解できる。


新聞を読まない人にとって、「より良い物が用意されているから」というのが新聞を嫌う最大の原因であることに違い。また「価格/購読料が高い」という意見は、無料で使えるインターネットやテレビとの比較だけでなく、「定価の金額を出すに値する内容ではないから」という意見も多数含まれていることが考えられる(実質無料媒体の普及で、ニュースへの対価の「ものさし」が変わりつつあることも一因だが)。

新聞側にしてみれば、既存の読者をつなぎとめておくのが最優先事項だろう。しかし一方で、新聞を敬遠する人たちの理由について考え直す必要があるのかもしれない。

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