中学生は6割強・高校生は4割強が「小中学校への携帯持込禁止」反対
2008年12月28日 12:00
モバイル広告などを手がけるピーネストは12月11日、携帯電話の学校内持ちこみに関する「女子中高生に対する」アンケート調査結果を発表した。それによると、「小・中学校の」学校への携帯電話持込を原則禁止とする方針に対しては、中学生は6割以上が反対、高校生でも4割強が反対していることが明らかになった。保護者・教育者の思惑と、実際に規制を受ける生徒の間には認識への違いがあることは間違いなさそうだ(【発表リリース】)。
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今調査は12月18日から21日までの間に携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は2007人。無料ウェブサイト作成サービス「@peps!」「Chip!!」利用者を対象にしている。属性は性別が女性、中学生・高校生がほぼ同数、詳細は未公開。
【「小中学校へのケータイ持込原則禁止」保護者は7割が賛成】でも触れているように、大阪府における「学校内への生徒の携帯電話持ちこみ原則禁止」の事例をはじめ、義務教育や高校において携帯電話の持込を禁止する動きが広まっている。今アンケートは、そのような動きの中で最たる当事者といえる中高生、しかも携帯電話への傾注度が高い女性に的を絞っており、「現場」の状況を把握し得る大変興味深いデータといえる。
さて、「小・中学校」の学校への携帯電話持込原則禁止方針について、当の本人らはどのように思うかを尋ねたところ、中学生では実に62%が反対と答える結果となった。
中学生の意見
高校生の意見
高校生では44%が反対の意見を表明している。一見すると「より利用度が高いと思われる高校生の方がどうして反対票が少ないのか」と不思議な感にとらわれる。しかしこれは、今調査内容が「小中学校」の規制であり、「高校」は対象外であるのがもっとも大きな理由と思われる。つまり中学生には「自分自身が規制されちゃう!」という差し迫った問題である一方、高校生にとっては一歩引いた、第三者的な立場からの意見になるからだ。極論として、この規制が身近に導入されても高校生にとっては直接関係するところは何も無いから、といえる(逆にいえばそれだけ冷静な立場での回答とも判断できる)。
単に「遊び道具を奪われるのはイヤ」ではなく
「防犯に役立つ」「授業中は使えなくしても良い」
など遊び道具・おもちゃとしての認識を超えた
考えで禁止に反対する中高生も多い
回答の具体的コメントを見ると、規制賛成派は「授業に集中できない」など自己抑制が出来ないことを理由に挙げていることが多い。他方規制反対派は防犯目的をはじめ、コミュニケーションツールとして、さらには「学校はストレスのたまる場所。息抜きの道具として必要」「辞書などを持っていかなくて済む」など、(教育当事者や保護者が耳にしたら)解釈に苦しむ意見なども見受けられる。
反対派の意見の中にも、「授業中、規制が必要な時間帯は使えないような工夫を凝らせば良い」という建設的な意見が多数見受けられた。昔ならベーゴマや面子、スーパーカーやキン肉マン消しゴム(女子学生がこれらを持っているかどうかは別として)、最近なら携帯音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などのように、単純な「遊び道具」としてではなく、中高生本人が自身と周囲に役立つアイテムとして携帯電話を位置づけ、考えていることがうかがえよう。
(最終更新:2013/08/01)
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