授業中3割・放課後7割……女子中高生の携帯電話利用スタイル
2008年12月28日 12:00
モバイル広告などを手がけるピーネストは12月11日、携帯電話の学校内持ちこみに関する「女子中高生に対する」アンケート調査結果を発表した。それによると、学校に携帯電話を持ち込んでいる女子中高生は7割近くが放課後に利用していることが明らかになった。また、学校の授業間の休憩時間に使う人は中学生で5割、高校生で7割を超えており、授業の息抜きとして使っている学生も多いことが見て取れる(【発表リリース】)。
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今調査は12月18日から21日までの間に携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は2007人。無料ウェブサイト作成サービス「@peps!」「Chip!!」利用者を対象にしている。属性は性別が女性、中学生・高校生がほぼ同数、詳細は未公開。
【「小中学校へのケータイ持込原則禁止」保護者は7割が賛成】でも触れているように、大阪府における「学校内への生徒の携帯電話持ちこみ原則禁止」の事例をはじめ、義務教育や高校において携帯電話の持込を禁止する動きが広まっている。今アンケートは、そのような動きの中で最たる当事者といえる中高生、しかも携帯電話への傾注度が高い女性に的を絞っており、「現場」の状況を把握し得る大変興味深いデータといえる。なお【女子中学生は5割、女子高生8割強~「ケータイ持込禁止」でも持ち込む彼女たち】にもあるように、現時点では中学で約8割、高校では3割近くで持込の禁止措置が取られているのが確認されている。
学校での禁止項目の有無は別として、携帯電話を学校に持ち込んでいる女子中高生に対し、その携帯電話をいつ使用しているのかを尋ねたところ、中学生では「放課後」・高校生では「休憩時間」という回答がもっとも多かった。
学校に携帯電話を持ち込む女子中高生が、いつ携帯電話を使っているか
登下校も含めた学校で過ごす時間の中で、という縛りがある(つまり自宅や遊び先などは含まれない)ことを前提にして見直すと、多くの学生が登下校時に利用していることが分かる。またそれ以上に、授業が済んだ後の教室内、あるいはクラブ活動における「放課後」場面での利用は多く、小中学生共に7割近くに達している。
その他気になる傾向を箇条書きにまとめると次のようになる。
・全般的に中学生よりも高校生の方が利用頻度が高い。
・高校生の方が授業の合間に利用する割合がかなり高い(中学生の1.36倍)。
・授業中に使用している生徒が3割強居る。
・「使わない」は中学生が高校生の2倍に達している。
2点ほどピックアップすると、まず1点は「授業中」が3割に登ること。中高生の授業カリキュラムで携帯電話を使うという話は聞いたことがないので、これは「校則に反して」という枕詞をつける必要がある。つまり「学校に携帯電話を持ち込んだ女子中高生の3割は、校則に反して授業中に携帯電話を利用している」と見て良いだろう。学校持込禁止派や、規制強化派にとっては好材料となりうる。
中学31%・高校35%
一方、学校に携帯電話を持ち込んでいるのに一切使わない人が高校生で8%、中学生で16%もいるのも注目に値する。「学校内はおろか登下校時にも使わない」選択肢は、「学業上の日常においては」携帯電話を使わないことを意味する(プライベートでも使わない、という意味ではない)。
では、いつ使うことを想定して彼女らは携帯電話を学校に持ち歩いているのだろうか。答えとしてもっとも適切なのは「非日常」、つまり防犯として使用せざるを得ない時を考えているものと思われる。
携帯電話を学校に持ち込んでいる
中学16%・高校8%(推定)
携帯電話持込禁止に反対する当事者側の意見に「防犯目的」を挙げる声も少なからず見受けられる。女子中学生16%・女子高生8%にとってはまさにそれだけのために学校に携帯電話を持ち込んでいるのであり、「禁止されたら困る」という声が切実なものであることが分かる。
このように、多種多様な状況・事情で携帯電話を学校に持ち込んでいる・持ち込まれた携帯電話が使用されている状況を考えると、一概に「持込全面禁止」とするのも(一つの問題解決策であり、ある方面には効果的なことに違いはないが)色々と支障が生じるリスクも伴うことが理解できよう。
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