【更新】「株価がここまで下がったら損でも売る!」損切りライン明確派は37%
2008年12月02日 06:30
NIKKEI NeTでは11月26日から、読者向けアンケートの新テーマとして保有株式の「損切り」ラインに関する調査を実施している。その途中結果によれば、明確な「損切り」を行うための基準を設けている人は全体の4割足らずに過ぎないことが明らかになった。一方でほぼ同数が「塩漬け上等」を決め込んでいることも見て取れる([発表ページ])。
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今調査はNIKKEI NeTのマネーIDに登録した個人が投資家としての立場から、日経平均株価の水準、景況観、自分の投資計画などについて投票するというもの。同サイト自身で「国内では最も実施期間や投票数で実績のある、洗練された個人投資家によるサーベイ」と自負しているほど。
そのアンケートテーマの中で現在行われているのが、「損切り」をテーマとするもの。設問は「塩漬け状態となるのを防ぐため、「損切り」をする銘柄もあるかと思いますが、含み損がどれくらいの水準まで拡大したら「損切り」に踏み切りますか?あなたの「損切りライン」をお答え下さい」。要は株価の下落局面で、手持ち銘柄の含み損がどこまで拡大したら損切り(損失を確定しなければならなくなっても売却を行う)をするのか、投資戦略について尋ねている。
現時点の結果は次の通り。
「損切り」ラインは?
「含み益状態でも目標に達しなければ売却を行う」という潔さを持つ人が7%、何割含み損が発生したらその時点で「損切り」を行うか決めている人があわせて30%、合計すると37%の人が「この水準に達したら損が出ても売却する」と決めていることになる。
一方で「特に水準を設けずに、臨機応変に対応する」人は27%。「損切りはせずに利益が出るまでずっと持ち続ける」が36%を占めている。ちなみに経験則や他の人の体験談をもとに考えると、「臨機応変に対応する」と回答した人のほとんどは「優柔不断」となり、「ずっと持ち続ける」派に移行するものである。
損切りについては【下落相場、「長期だから気にしない!」「損切りできない」が半分ずつ】や【10月の急落相場でも……「損切りせずに株価回復を待つ」は48.9%】でも触れているように、投資スタンスの違い(中長期か短期か、確定益を求めるのか(キャピタルゲイン)・配当などをあてにするのか(インカムゲイン))などによってよりよい選択肢が異なってくるため、一概にどの手法が良い、悪いと断じることはできない。中長期の保有を前提としているのに少々の含み損で損切りするのは愚策であるし、短期売買のために購入したのに含み損が発生したから「含み益が出るまでずっと持つ!」と突然投資方針を変えるのは具の骨頂である(耳が痛いのは何故だろう)。
ともあれ、どのような相場環境でもゆるぎない「自分の投資スタンス」を持ち、それを貫く事は重要。そしてそれと共に、いざとなれば周囲環境へ臨機応変に対応できる柔軟性を持つことも必要だといえる。例えば手持ち銘柄が突然大規模な増資を発表して希薄化が確実となった場合や、期待していた事業から撤退して怪しげな勢力との提携を発表するなど、中長期的にも株価の回復が見込めないと判断したら、「ずっと持っていればもしかしたら……」という希望的観測よりは、「この場ですぱっとあきらめた方がいいな」という決断の方が懸命であるといえよう。
ちなみに、損切りをテーマにした上記の調査結果でも、具体的に数字目標を定めて損切りを実施する人は3割前後という結果が出ている。「損切り派3割」は投資家界わいにおける勢力図として、確定しつつある割合なのかもしれない。
(最終更新:2013/08/01)
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