30代男性は3割が朝食抜き
2008年12月29日 06:30
厚生労働省は12月25日、「2007年国民健康・栄養調査結果の概要について」を発表した。それによると、朝食の欠食状況は10年前と比べて増加する傾向にあることが明らかになった。男性は30代、女性は20代の欠食がもっとも多く、特に男性は30代で3割を超える人が「朝食を食べていない」状態にあるという(【発表リリース】)。
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今調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況や栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにして、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得るために行われているもの。今回は無作為抽出された300単位区内の世帯約6000世帯分、さらに該当する世帯の1歳以上の世帯員約18000人に対して行われている。
今調査で「朝食を摂らない人」について尋ねた項目の結果において、男性20代を除いてほぼすべての性別・年齢階層別で「朝食を摂っていない」と回答する人の割合が10年前と比べて増加する傾向にあることが分かった。
男性朝食欠食率
女性朝食欠食率
なお今件において「欠食」とは「単に食事をしない」だけでなく「菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみを食べた場合」「錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンク剤のみの場合」も含まれている。
男女とも20~40代でもっとも多い欠食率が確認できるが、同時にこの年齢層での10年前と比較した欠食率の上昇が大きいのも気になる。特に男性30代では1.47倍、女性30代にいたっては1.85倍・40代で1.91倍と2倍近い伸び率を示している。また単純な男女別では男性の方が欠食率が高い傾向にある(総計では男性13.3%、女性10.1%)。
・女性30~40代で朝食欠食率急上昇
・幼児でも5~7%が朝食欠食
これは過去における朝食欠食の記事でも触れているが、ライフスタイルの変化や多忙さの増加、さらには「欠食」に含まれてしまう「菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみを食べた場合」「錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンク剤のみの場合」で朝食を摂る人が増えているための結果と思われる。
今調査自身で気になる点をもう一つ挙げるとすれば、幼児の欠食率が急増していること。元々10年前が少なかったというのもあるが、男性1~6歳で5.3%・女性7.3%が「朝食を(事実上)食べていない」と出ている。子どもの時分から欠食、あるいは飲み物や栄養ドリンクのみの朝食というのは成長期における栄養バランスとしていかがなものか(もちろん青年・成年時期なら良いというわけではない)という感がある。
ちなみに別の関連項目にあるが、朝食を取らない人は「夕食が遅い」「野菜の摂取量が少ない」傾向にもあることが判明している。一日の食事で一食分減るのだから野菜摂取量も減って当然といえるが、夕食の摂取時間が遅いというのは意外なお話。あるいは単にだらけて食事取らず、時間が遅いのではなく、朝食欠食の理由の一つと考えられている「多忙さ」ゆえに、「朝は忙しくて朝食もとれず、仕事で帰りも遅くなるので夕食も遅い時間帯になってしまう」生活リズムで過ごしている、というあたりが正解なのかもしれない。
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