20代の5割近くが「失業などの心配アリ」
2008年12月19日 06:30
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは12月18日、生活の不安に関する意識調査結果を発表した。それによると、自分の世帯における稼ぎ手が今後1年間で失業や廃業する心配がある人は「少しある」も含めると4割近くに登っていることが明らかになった。特に若年層ほどその懸念は強く、20代では半数近くにのぼっている。経済状況の悪化が将来への不安感を増長させているようである(【発表リリース】)。
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今調査は12月2日から3日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は421人。男女比は52.3対47.7。年齢構成比は20代9.3%、30代51.1%、40代31.1%、その他8.6%。
自分自身が稼ぎ手である場合は本人、配偶者である場合は相手方、保護者である場合は両親などが、今後1年間(来年末まで)に失業や廃業で収入源を失ってしまう可能性があるかについて尋ねたところ、「ある」と答えた人は1割強にも達していた。「少しある」をあわせると実に4割近くが「収入が断たれる可能性がある」と返答していることになる。
あなたの世帯の主たる稼得者が、今後1年間で失業・廃業する心配はありますか
「可能性が(少なからず)ある」が1割を超え、少しではあるが「可能性がある」と答えた人が3割近く。雇用に関する不安が少なからず広がっていることが改めて確認できる。
注目したいのは年齢階層別のデータ。一昔前までは「一人頭の会社の負担を大きく減らせるから」という理由で、中堅~高齢者層が「クビ」になるリスクが高いといわれていた。ところが昨今ではむしろ若年層の方が解雇される可能性が高い(その大部分は派遣や請負、契約などで、だが)。その世情を反映してか、中堅層よりも若年層の方が「失業の不安」が高いようすが見てとれる。20代に限ると「ある」「少しある」をあわせて実に5割近くが不安を持っているのが確認できる。
今回はグラフ作成を略するが、「将来の年金や社会保障に対する不安」でも、年齢階層別においてはほぼ同様の結果が出ている。つまり中堅層よりも若年層の方が、現状における不安を大きく抱えているのが確認できる。今回の「雇用」や社会保障などの2点に的を絞っても、人口構成比や所有財産費などで不利な立場に置かれている若年層が、社会構造的に冷遇され、それに対する不安を持つ様相が容易に想像できる。これでは一部でささやかれている「団塊の世代勝ち逃げ論」が出てくるのも、ある程度は仕方ないのかも、と考えざるを得ないのも事実ではある。
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