不景気でもオンラインショッピングは大健闘・「サイバーマンデー」は15%増
2008年12月08日 08:00
世界規模のデジタルメディアの利用動向を調査するcomScoreは12月3日、年末商戦に向けてオンラインショッピングが大いに盛り上がる「サイバーマンデー」(感謝祭である11月の第4木曜日の次の月曜日)において、前年同月比で15%増の売上を挙げたと発表した。実店舗でのセールスが今ひとつ伸び悩む中での堅調ぶりに注目が集まっている(【発表リリース】)。
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アメリカでは感謝祭である11月の第4木曜日の翌日にあたる金曜日を「ブラックフライデー」(黒字決算になる金曜日)と呼び、小売店が大いにセールスを展開する日として有名。その分オンラインストアは閑散となり、そこからオンライン上に買い物客たちが帰ってくる翌月曜日はオンラインストアも売上を伸ばすことから「サイバーマンデー」と呼んでいる。
感謝祭前後のオンラインストアにおける売上は次の通り。カッコ内は前年同期比。
・11月中……120億2500万ドル(-2%)
・11月中感謝祭前……95億8800万ドル(-4%)
・感謝祭当日……2億8800万ドル(+6%)
・感謝祭翌日(ブラックフライデー)……5億3400万ドル(+1%)
・感謝祭後の土日……7億6900万ドル(+19%)
・感謝祭後の月曜(サイバーマンデー)……8億4600万ドル(+15%)
年末における週単位のオンラインショップの売買状況。本文にもあるように、今年は消費者が一層賢くなり、価格比較を徹底的に行い値引きを待つ購入スタイルをとっているようで、感謝祭前の期間は「待ち」を決め込んで売上が落ちている。感謝祭以降になると売上が元に戻っており、次週以降も伸びが期待できる。
不景気だとオンラインショップも不調に終わるという噂が一部には流れていたが、少なくとも現状ではその噂は打ち消されたことになる。11月半ば頃までは実店舗同様にセールスも軟調だったものの、感謝祭をきっかけに売上が伸びているが、この傾向をリリースでは「オンイランショップ上の値引き合戦に明確に反応し、財布のヒモを緩めて買い物に殺到している」と説明している。さらに「値下げをすることで客を引き寄せ(販売個数をこなすことで)最終的に大きな利益を上げられる余地がまだあることを今データは示した」とし、今後さらなる競争と活性化に期待している。
実際、同時期に行われた調査では「前年と比べて割引幅が大きい」と答えた消費者は51%を示していた(前年は12%だった)。また注目すべき事はオンラインショップ利用者の39%が「今年は実店舗で買い物をすることが少なくなった」と答えている(「増えた」と答えた人はわずか7%)。
また関連するリリースによると、オンラインショッピングサイトにおいては表示の増加速度は購入決定のクリック数増加速度より速いという結果が出ている(=クリックレートが下がっている)。これも消費者が「色々なサイトの商品を見定めて、その上で慎重に商品を選択(クリック)している」ことを示している。
また、【イギリスではクリスマスのネットショッピングは前年比+15%】などでも触れているように、この傾向はアメリカだけでなくヨーロッパでも共通のもよう。【別リリース】によるとイギリスでは同時期において3~13%、フランスでは5~8%、ドイツでは10~15%の売り上げ増が確認されている。
「生活防衛」という観点ではオンラインショップは消費者にとって、よりよい道具となりつつあるようだ。
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