お菓子の家も腰を抜かす、野菜で出来たベジタブルワールド。そしてさらに……
2008年11月27日 06:30
世の中には色々な「だまし絵」と呼ばれるものがある。一見すると普通の絵だが、よく見ると別の絵が内包されていたり、思っていたものとは別の材料で構成されていたりするもの。たいていの絵がその中に潜む真実を見出した時、見る側をして二度三度驚かせ、関心させられるものだ。先日【Dail Mail】で紹介されていた、Carl Warner(45)という写真芸術家の作品もその一つといえる。かの人のサイトは【こちら】。色々なタイプの写真をウェブサイト上で公開しているが、中でも素晴らしいのが「だまし絵」の類……といえなくもない「FOTOGRAPHICS」のカテゴリーの作品。別名を「FOODSCAPES」という。
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作品一覧。ごく普通の、色あでやかなクリア系のカラー写真かCGによる作品のように見えるが……
とりあえず一つ、具体的なものを見てみることにする。
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気球が浮かぶ田園風景……!?
緑のあでやかさが目に留まる田園風景と、空一杯に浮かぶ気球たち、のように見えるが目を凝らして見るとそれらがすべて野菜を中心とした食べ物であることが分かるはずだ。草木はブロッコリー、岩石はじゃがいも、雑草部分はバジルやハーブ(元々雑草もどきのようなものだが)。道路はナッツで作られ、打ち捨てられている大八車はパンで作られている。車輪の部分はキノコ。後ろの畑はベビーとうもろこしなど。そして気球はりんご、マンゴー、いちご、バナナ、にんにく、レモン、ライムで作られている。
説明によれば作者は最初に頭の中にイメージを思い浮かべ、その情景を作り出すために野菜などの「材料」を調達。この幻想的な世界を作り出すのだという。「固定用のピンや接着剤を使って何日も時間をかける」とのことなので、ベースはすべて本物の食べ物。写真として撮影したあと、一部の作品にはCGなどで加工を施しているのだろう。とはいえほとんどの部分は素材そのものの「生命あるもののたくましさ」が活かされた形となっている。
野菜中心のものをもう一枚。
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峡谷にある村の情景、のようなカット
まるで『風の谷のナウ●カ』に登場しそうな峡谷の一シーンだが、木々はもちろんブロッコリー。大地にはじゃがいもなどが使われ、バックの大きな岩石(山)にはパンが使われている。ブロッコリーは好き嫌いが激しいので、嫌いな人が見たら30秒で卒倒する世界に違いない(笑)。
Carl Warner氏が創る「世界」は野菜をベースにした農村ものばかりではない。例えばこちら。
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ウェルカム・トゥ・ザ・ミートワールド(お肉の世界にようこそ)
家やまきの部分はスティックパン、それと一部にイタリア伝統のciabattaというパンが用いられているが、他は全部肉。野菜で作られた情景はあれだけ美しかったのに、肉で作られた世界はどうしてこうもおどろおどろしいんだろう(笑)。
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描写されているのは海だが、使われているのは野菜
いっぷう変わっているのがこちら。描写されているのは荒れ狂う海をひた走る小さな漁船だが、海などは赤キャベツで創られている。漁船そのものはズッキーニ、漁船の上部構造物はアスパラガスなど。
おおもとのイメージはごく普通の情景のワンシーンだが、構成物を野菜や肉など、これまたごく普通の素材を用いることで、なんとも幻想的な世界が構築される。人の想像力と創造力の素晴らしさを改めて確認できる作品たちといえよう。
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