●ケータイ使って「おめでとう」を年賀状で……「ケータイPOST」

まずは、携帯電話のメールアドレスさえ知っていれば「実物の」年賀状が贈れるという【ケータイPOST】。去年【ケータイ上から本物の年賀状が贈れるサービス、auでスタート】で紹介した時にはau端末のみの対応だったが、現在では主要3キャリアに加えてパソコンでも利用が可能となっている。

ケータイPOST

主な仕組みは元記事を参照して欲しいが、要はシステム側が贈り手と受け手の仲介役となり、年賀状を送付する手続きを行うというもの。受け手は贈り手に本住所や名前を知らせる必要はないので、実際にあった事は無くて本当の住所を知らせるのは少々腰が引ける……という場合でも安心して使うことができる。

●年賀状じゃなくてお歳暮を、という人は……「ぷちギフト」

年始のご挨拶に年賀状、もいいけれど、お歳暮も贈りたいな、と考えている人は【ぷちギフト】。ソフトバンクモバイルとセブン・イレブン・ジャパンが協力して、ソフトバンクの子会社ソフトバンクギフトが運営しているサイトで、上記の「ケータイPOST」のような仕組みでさまざまな商品を贈り物として贈れるというもの。

ぷちギフト

メールを受け取った受け手側は実際の商品をセブン・イレブンで受け取る仕組み。アマゾンジャパンなどで「コンビニ受け取り」を選択した場合とほぼ同じ形だ。同サービスはパソコンから利用できるし、ケータイからも(現時点でソフトバンクモバイルのみの対応だが)送受信が可能。相手の顔は知らないけれど親しい間柄のメル友に誕生日のプレゼントを……といった洒落たこともできる。

ちなみに「相手の素性が分からないので、もしかしたら好き嫌いが激しいかも」と心配な人のために、ギフトカードのように「受け手が商品を選べるコース」なども用意されている。「スイーツ大好き！セレクション　Aコース」を選び、「お好きなスイーツを堪能してね☆」などといったプレゼントも可能なわけだ。

●マイミクに贈りたいな、という人には……「ミクシィ年賀状」

日本最大級のSNS、【mixi】を利用していて、mixi内のお友だちこと「マイミク」に年賀状を贈りたいと考えている人なら【ミクシィ年賀状】。これならわざわざ他のシステムを利用するために、メールアドレスを聞き出す必要もない。

ミクシィ年賀状

記事執筆時点でいまだに準備中なので詳細について不明な点もあるが、【mixiで相手に個人情報を明かさずに「本物の」年賀状を贈れるサービス「ミクシィ年賀状」スタート】にもあるように、「マイミク」に対して(メールアドレスを知らなくとも)使える「ケータイPOST」のようなもの。mixiを匿名で利用している人も多いだろうから、ある意味秘匿性は「ケータイPOST」より高いといえる。また、コミュニティ活動などもmixi内で活発に行われているから、年賀状を贈りたい相手も多いことだろう。

なお一部報道によれば現時点では年賀状のみの送付サービスを予定しているが、今後は「ぷちギフト」のように物理的な商品の送付サービスも検討しているという。

「名前も住所も分からず顔も見たことが無い人に、年賀状、さらには贈り物を贈る」など、一昔前にはとても考えられなかった話。アイドルや漫画家の先生のような人になら「気付」という形で事務所や出版社に贈ることもできるが、個人の場合はそうもいかない。

ところが現在では、携帯電話・インターネットの普及や、ネットを介したコミュニケーションの発達により、新たな「人と人とのつながり」が意識として芽生えつつある。一部には「希薄化」という言葉で断じる人もいるが、それとはまた別の新しい「何か」が創生されつつある、と考えた方が妥当だろう。

そのような状況の中では、今回紹介したような「メールアドレスだけで年賀状や贈り物を贈れるサービス」が登場しても何ら不思議ではない。サービスそのものが始まったばかりなので今後各企業による試行錯誤が続くだろうが、システムとしては整備が進んでいくに違いない。

(最終更新:2013/08/02)