シニア層ほど口コミ効果は薄くなる!? 年齢・性別と口コミ効果との関係

2008年11月19日 08:00

口コミイメージWebマーケティングガイドは11月18日、インターネット調査会社のボーダーズとの共同調査の結果を発表した。その結果によると、年齢を経るにつれて・男女別では男性の方が、周辺情報を気にせずに自分自身の考えに従い商品を選択し、購入する傾向が見受けられることが明らかになった。俗にいう「口コミ効果」「バイラルマーケティング」の効用と照らし合わせて考えると、興味深い結果といえる(【発表リリース】)。

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今調査は10月20日から10月21日の間にインターネット経由で15歳~49歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は624。年齢階層(10歳単位)・男女比率は均等割当。

今調査では商品購入の際の意志決定に対する影響を中心に複数の設問が用意されている。その中で、商品を選択して購入する時の基本的な行動パターンについて男女別・年齢階層別に尋ねた結果が次のグラフ。

男女別「自分の意思が強いか、周囲の意見などを優先するか」
男女別「自分の意思が強いか、周囲の意見などを優先するか」
年齢階層別「自分の意思が強いか、周囲の意見などを優先するか」
年齢階層別「自分の意思が強いか、周囲の意見などを優先するか」

これほどまではっきりとした傾向が出ている調査結果も珍しいが、傾向としては

・男性よりも女性の方が、口コミ情報の影響を受けやすい
・シニア層よりも若年層の方が、口コミ情報の影響を受けやすい


ということになる。逆に言えば「男性」「シニア層(高齢層)」の方が、口コミ効果を受けにくく、自身の意思で消費行動を決定付ける傾向にある、と見られる。

これまでの複数の記事や世間一般に言われている実情として、男性よりも女性の方が周囲環境に押し流されやすいのは容易に理解できよう(「隣の奥さんも」、スタンピード現象というものだ)。問題なのは「シニア層の方が口コミ効果を受けにくい」という点。

これが単に「シニア層ほど自分自身の経験を蓄積しているので、判断するための材料が増えるため、自身の決定の傾向が強まる」、表現を変えれば「頑固である」を意味しているのか、それとも「インターネットや携帯電話など、『情報過多時代』を経験している時期が、頭が硬い時期だったために周囲環境の情報の多さについていけない」「自分の人生経験の中で『情報過多時代』の比率が少ない」からなのか、今調査からだけでは判断できない。

同じ時間を共有している世代でも、人生全体において「情報過多時代」を過ごしている期間が「人生全体」に占める割合は異なる。若年層の方が「情報過多時代」が人生全体に占める割合は大きい。
同じ時間を共有している世代でも、人生全体において「情報過多時代」を過ごしている期間が「人生全体」に占める割合は異なる。若年層の方が「情報過多時代」が人生全体に占める割合は大きい。

現在の若年層、つまり「情報過多時代」の割合が人生において大きい層が年を経た場合、現在のシニア層と似たような傾向を示すのか、つまり「口コミ情報をあまり参考にしなくなる」のか。それとも情報の洪水に埋もれた世代ならではのように、口コミ情報が有効なまま年を経るのか。

今の「情報過多時代」に生きた
若年層が年を経ても
似たように「口コミ情報」に
重点を置くのか否か

もし現在の若年層が年を経て、やはり「周囲情報より自分の意思で」というのなら、単に「年をとると頑固になる、頭が固くなる」でおしまいになる。しかしもしも「現在の若年層が年をとっても口コミに大きな影響を受ける」ままなら、中堅~シニア層の消費行動・傾向が、これまでとは大きな違いを見せることになる。

その結果が出るのは十年単位も先になる。しかしいちどきに、急に激変するのではなく、少しずつ、じわじわと変化のきざしが見えてくるだろう。その変化が生じるのか否か、非常に興味深いところだ。

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