「単なる遊び」から「楽しみの道具」のために・小中学生のネット利用目的の変化
2008年11月14日 06:30
バンダイネットワークスとネットマイルは11月12日、小中学生を対象にしたインターネットの利用状況に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、小中学生のインターネットの利用目的としては、小学生では暇つぶしやゲームなど受身的な遊び目的で利用する場合が多いことが分かった。一方で中学生になると、他人とのやりとりやブログの作成など「情報の発進側」にも周り、インターネットを「楽しみの道具」として使いこなす技術が蓄積されつつある様子がうかがえる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は10月23日から27日、小中学生を対象に運営されている情報交換サイト「サークルリンク」内で行われたもので、有効回答数は752人。男女比は66.9対33.1で、主な年齢層は小学6年生が206人、同5年が197人など。
今項目調査では調査母体となったインターネット上のコミュニティ「サークルリンク」の利用以外に、「インターネットを何のために使っている」かという目的意識について尋ねている。全体でもっとも多かったのは「暇つぶし」で52.0%と過半数の人が回答していた。
インターネットを使う目的
続いて「遊びや趣味の情報収集」「オンラインゲームで遊ぶため」「勉強の情報を収集するため」などの順になっている。「パソコン買ってよ、勉強で使うんだから」と保護者におねだりしても、「どうせ暇つぶしや遊びの情報集めたり、オンラインゲームで遊ぶんでしょ」と子どもにとっては辛い回答を返されそうな結果ではある(笑)。
男女別では「オンラインゲーム」「遊びや趣味の情報」でやや男の子が多いものの特段変わった傾向は見られない。むしろ差異が目立つのは年齢層別である。年齢(学年割り)層別の違い・傾向をまとめると次のようになる。
・全般的に「単なる道具」としてより、自分の楽しみのための充足に使う方が多い。
・遊びや趣味の情報収集は年を経るにつれて割合が高まり、中学生ではトップに立つ。「検索」の仕組みやテクニックを学ぶことや、「楽しみ」に対する知的探究心が高まるからだろう。
・「勉強の情報収集」も年とともに増加。中学生では3割がインターネットを勉強の情報収集に使う。
・オンラインゲームはリストアップされた上位項目では唯一、年齢の経過とともに大きく支持率を下げる。単純なゲームで遊ぶより、インターネットにはもっと「楽しいこと」があるのに気がついたのだろうか。
・年齢が上がると単なる情報の受け手としての「楽しみ」以外に、「情報の送り手」としての楽しみ方も増えてくる。中学生になるとネット上の他人とのやりとりは4割近く、自分のブログ・サイト作成も4人に1人の割合。
小学生のうちはインターネットの持つさまざまな可能性を把握しきれず、洪水のように流れてくる情報にかき回されつつ、時間つぶしをしたり趣味の情報を集めるなど「受動的行為」だけでネットとの甘いひとときを過ごす。これが中学生になると、単に情報を受けるだけでなく、発信する楽しさを覚え、掲示板に書き込みをして他人とのやり取りを楽しんだり、ブログやサイトで世界中に向けた情報発信を「満喫する」ようになる。
要は小学生の時分は「単なる遊び道具」に過ぎなかったインターネットも、中学生になると「自分自身の発表・情報発信の場」としてのツールの使い方を学ぶようになるということなのだろう。
また、保護者の立場からこのデータを見ると、インターネット上での「暗黙の了解」や検索の仕方などは小学生の早い段階で、チャットや掲示板の上でのルールやブログ・ホームページ作成上の問題点は中学に至るまでに教えておくと、問題を回避できる可能性ががあると考えられる。特に中学以降に増える「情報発信」においては、一歩誤まると大変なことも置きかねないので、念入りに教え込む必要があるものと思われる。
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