「空」が落ちてくることまでは予想できなかった気象予報官
2008年11月05日 19:40
気象予報官はさまざまなデータを元に、未来の気象情報を予報する。しかしいくら過去のデータを蓄積しても予報できるのは人知に限られた範囲のこと。雨や雪ならともかく、時々ニュースを騒がせる魚や飛行機の部品まで言い当てることはできない。その意味では、今回紹介する気象予報官も、降って来たものを予報するのは無理だったのだろう。
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今回の事件の掲載元は【Mail Online】。10月30日木曜日の夜8時半から放送された、生放送の天気予報での話。ニュース番組SKY NEWS中の天気予報コーナー「SKY NEWS Weather」で気象予報官のFrancis Wilson氏が明日のイギリスを中心としたヨーロッパの天気予報をしていた時に、それは起こった。
元々こういうタイプの放送では、単色のパネルで敷き詰められたスタジオにコンピューターグラフィックを合成して演出している。そのパネルの一つが……
イギリスを指しているFrancis Wilson氏。ところが指した先のパネルが……
ポロリとはがれ落ち、顔面を直撃したあと、足元に落ちてしまう
SKY NEWS自らが配信している動画。タイトルも「気象予想士は東アングリア地方が落下するのを目撃しました(Sky Weather Man Watches East Anglia Fall)」。非常に開示性の高い放送局といえよう(笑)
触れたはずみでか、ポロリと落ち、氏の顔面を直撃したあと足元に落下してしまう。見た目にはまさに「イギリスの空が落ちてきた」状態になったわけだ。
しかしここからFrancis Wilson氏はプロらしい(あるいはイギリス人らしい)行動を見せる。ちょっとおどけた顔をしながら冷静にパネルを拾いつつ「おや、なんて興味深い。これは東アングリアとイギリス東南地方ですな(Oh that was interesting. That was part of East Anglia and the South East.)」と説明をしながらバックして画面から消え、パネルを片付けた後、何事もなかったかのように天気の解説を続けていくのだ。ある意味、報道に携わる者の鏡かもしれない。
元記事には氏の経歴にも少々触れられている。6年間気象庁で予報官として働き、その後1980年代にはBBCで気象予報のキャスターとして人気を馳せた。特に彼を有名にしたのは、彼が天気予報の生放送をしている際に、自分の着ているコートが後ろにいたラクダにかみ砕かれている様子が映し出された事件だとのこと。
あるいは彼は、その頃から「冷静さ」を身に付けていたのかもしれない。
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