物価高 弁当増える サラリーマン 外食極力 ひかえる傾向
2008年11月04日 06:30
【インテージ(4326)】は10月30日、ビジネスパーソンの外食事情調査の結果を発表した。それによると、昨今の物価高とふところ事情の悪化から、ビジネスパーソンの昼食事情も大きな変化を見せていることが明らかになった。具体的には「持参の弁当の人が増え、外食の機会が大きく減じている」傾向が見受けられる(【発表リリース】)。
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今調査は10月17日から21日の間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2400人。男女比は1対1。年齢階層比は20・30・40・50代でそれぞれ均等割当。地域比は首都圏・関西圏・その他全国で均等割当。また職種では正社員や派遣・契約社員を含めた「働き人(ビジネスパーソン)」を対象にしている。
昼食の形式として、最近増えたものと減ったものを複数回答で答えてもらったところ、「増えたもの」としてもっとも多くの人が答えたのは「家から持参する弁当」で4割近くを占めていた。
昼食で最近増えたものと減ったもの
もっとも増えた割合の大きい「家から持参する弁当」については、先に【外食から中食、そして弁当へ!? 食品値上げで弁当箱が飛ぶように売れる現実】でお伝えしているように、お弁当箱の売れ行きが伸びていることからも裏づけられる。お弁当を作れる、あるいは作ってもらえる環境にある人は、自前のお弁当の方が安上がりで済むという算段なのだろう。他の項目も「増えたもの」は色々あるが、「減ったもの」より「増えたもの」の割合が多いのは「家から持参する弁当」項目のみ。
「自前のお弁当」のみ
・コンビニのおにぎりなどは
「増えた」「減った」共に多い
・外食以外にファストフードの
利用も激減している
一方で「減ったもの」のトップには「外食」がつき、実に4割以上の人が減ったと答えている。次いで減ったものの割合自身としては「コンビニの弁当」「コンビニのおにぎりやパン」「コーヒーショップやファストフードの利用」などが並んでいる。特に「増えたもの」から「減ったもの」を引いた、純粋な減り加減では「外食」に続き「コーヒーショップやファストフード」が高い値を示している。
外食が減る理由は【サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係】や【コンビニ弁当に「ちょいミニサイズ」が増える理由!? ~コンビニ弁当のお供「デザートかサラダ」「お茶」と予算の関係】、今調査の別回答(支出を切り詰めるようになった人の割合75.0%、切り詰める人の中で昼食費を切り詰める人は43.3%)などにもあるように、昼食に費やせる予算が減ったからに他ならない。一方で資源高などから外食産業における単価は上がる一方では、ビジネスパーソンの足も遠のくのは当然といえる。
●「おにぎり・カップめん」陣営の入れ替わり、ファストフードの客離れ!?
↓移行
「おにぎり・カップめん」利用者
↓移行
自前弁当利用者
気になる傾向が二点。まずは「コンビニのおにぎりやパン、カップめん」など、コンビニ弁当と比べれば単価を低く抑えられる商品について「増えた」「減った」人共に大きな値を示していること。他の項目と比較すれば「その他」以外、このような傾向は見られない。これは「コンビニ弁当」「外食」などから「おにぎり・カップめん」にトレードダウンした人が「増えた」に票を投じ、一方で今まで「おにぎり・カップめん」を利用していた人は「持参弁当」に(金額的な)トレードダウンをしたことによるものと思われる(※)。
※決して持参弁当と、おにぎりやカップめんの間への、質的・作り手の心境的な差別を意味するものではないので、念のため。あくまでも価格的な問題である
もう一点は、コーヒーショップやファストフードの利用頻度の減少が意外に大きいこと。「外食」や「仕出し・出前」の割高感は理解できるが、ファストフード(ハンバーガーや丼ものの類)はそれなりに単価を抑えられるレパートリーも増えており、選択次第では出費を抑えることは不可能ではない。しかしデータからは「減らす」という人が「仕出し・出前」以上の値を見せている。利用頻度が高いだけに、経費削減の対象になりやすいということだろうか。
ただし、ファストフードの最大手[マクドナルド(2702)] の月次データを見てみると、昨今においても客足は鈍っていないように見える。一方で【吉野家(9861)】などはかんばしい結果を見せているとはいえない。これら2企業だけで断ずることは出来ないが、あるいは特定の店舗への集中化が進んでいるのかもしれない。
(最終更新:2013/08/02)
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