「目標株価、ゼロ」ドイツ銀行がGMを「売り」へ格下げ・目標株価0ドルに
2008年11月11日 12:00
【MarketWatch】や【ロイター通信】が伝えるところによると、ドイツ銀行は11月10日、アメリカの自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM、General Motors Corp.)の投資判断について、「ホールド(持ち続けるべき)」から「セル(売るべき)」に、目標株価を4ドルから0ドルに引き下げたことが明らかになった。GMが先日発表した四半期決算の内容を受けて、2009年第1四半期には「手持ちの現金が底を尽きる」懸念が生じたのが主な原因。
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GMでは11月7日に【2008年第3四半期決算】を発表しているが、このままの状況が続けば2009年には現金が底を尽きることなど、経営が立ち行かない状況を説明。新大統領のオバマ氏などに対し支援を要請し、これに答える形でオバマ氏のスタッフも動いていると報じられている。
このような状況を見た上で各格付け会社などはGMに対し、「たとえ政府の救済で経営破たんはまぬがれるかもしれないが、既存の株主の利益が激しく損なわれる可能性は否定できない」と判断。大きく投資判断を引き下げている。
・バークレイズ……「イコールウェイト(中立)」から「アンダーウェイト(悪い)」へ。目標株価は4ドルから1ドルへ。
・ドイツ銀行……「ホールド(保持)」から「セル(売り)」へ。目標株価は4ドルから0ドルへ。
・クレディスイス……目標株価を7ドルから5ドルに。
特にドイツ銀行の「目標株価:0ドル」はインパクトが大きい。MarketWatchによればドイツ銀行は投資家へのレポートの中で、GMの現金が12月下旬までに50億ドル未満にまで減少する一方、来年1月前半には債務の支払いがあるため、その時点で「デフォルト」の可能性が生じること、もしアメリカ政府がGMを維持させ続ける意思があるのなら、250億ドル(2.5兆円)を投入し、さらに少なくとも100億ドル(1兆円)を貸し付ける必要があると伝えている。そして「政府の資金投入によって、その時点で倒産を回避できたとしても、GMの会社の未来は倒産への道を歩んでいるようにしか見えない」とし、目標株価をゼロに定めたと説明している。
一方で「政府の資金投入がなければGMの崩壊は必然的であり、それはGM自身だけでなく周辺産業も含めて多大な影響を及ぼしうる」と警告。GMにもアメリカ政府にも、残された選択肢と時間はあまりにも少ないことを指摘している。
ここ5日間のGMの株価推移(Yahoo Finance)
GMの株価は7日に発表された第3四半期決算の内容とその後の各社の格付け変更を受けて大きく下落。11月10日時点で前日比-22.94%の3.36ドルをつけている。これは62年ぶり、言葉通り「歴史的安値」とのこと。
GMはアメリカ産業の象徴であると共に、多くの関連企業と深いつながりがあるため、破たんとなれば経済上、雇用上、体面上などさまざまな面で影響が発生する。アメリカ政府としても破たんさせるわけにはいかないだろう。しかし経営体質を見る限り、ダイナミックな改革をしない限りドイツ銀行の指摘通り「倒産への道のり」を歩み続けるに違いない。そしてその間、アメリカの国税が投入され続けることになる。
救うべきはGMという法人そのものであり、その事業内容は現行のままである必要はないこと、そして救う対象に経営陣は含まれないことなどとあわせ、根本的・抜本的でスピーディーな「英断」が求められよう。
Thanks to 【おもしろ決算悪材料スレ117】
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