顔認識ミドルウェア「FSE」、任天堂の「DSi」に搭載
2008年11月04日 06:30
【沖電気(6703)】は10月31日、[任天堂(7974)]が先日発売した携帯ゲーム機『ニンテンドーDSi』において、沖電気の組込用顔認識ミドルウェア【FSE(Face Sensing Engine)】が採用されたことを発表した。DSiのデジカメ機能で撮影された画像を使ったアプリケーションで使われている(【発表ページ】)。
スポンサードリンク
「FSE」の機能を利用したアプリケーション
【市場の第一印象は冷ややか~任天堂、DS新型機「DSi」発表・11月1日から発売】でもお伝えしているように、新型(改定型)のニンテンドーDSことニンテンドーDSiには、30万画素のデジカメ機能が搭載されている。そして内蔵ソフトウェアとして撮影した写真で遊ぶ「ニンテンドーDSiカメラ(DSiカメラ)」が用意されている。
この「DSiカメラ」において沖電気の「FSE」は、写真やカメラ映像からの人の顔の検出、目や口などの顔部位の特徴点の抽出、顔による個人を識別する機能を提供する顔認識エンジンとして標準搭載され、「DSiカメラ」の「2人の似ている度を測る」機能や、「2人の顔を合成する」機能などの実現に使われているとのこと。
DSiへの搭載にあたり沖電気では、抽出できる顔特徴点の増加、「ニンテンドーDSi」の内蔵カメラの特性に合わせた調整を実施。「FSE」を「ニンテンドーDSi」に最適な顔認識ミドルウェアにカスタマイズしたという。
DSiの搭載デジカメ機能に対し、「今や携帯電話でも数百万画素の機能を持つデジカメを搭載する時代に、それこそ個人向けデジカメの黎明期レベルの30万画素の機能で何ができるのか」という話もある。しかし今件のFSEのように、DSiでは「デジカメ機能」そのものではなく、「色々使えるツールの橋渡し・素材としてのデジカメ機能」を主軸に置いたものと思われる。技術的には数百万画素のデジカメをDSに搭載することも可能だろうが、それで単価が跳ね上がったり他の機能が削られたり、耐久電力時間が激減したり処理速度が落ちたのでは本末転倒でしかない。あくまでも「道具のひとつ」としてデジカメが選ばれたに過ぎない。
「FSE」の搭載・採用によるデジカメ画像の活用は、任天堂からの「提案」の一つに過ぎない。今後さらなるDSiを使った「提案」が行われるに違いない。
(最終更新:2013/09/05)
スポンサードリンク
ツイート