【更新】ホンダ、排気ガスを出さない夢の燃料電池車「FCXクラリティ」国内第一号車を環境省へ納入
2008年11月26日 08:00
[ホンダ(7267)]は11月25日、新型の燃料電池車「FCXクラリティ」の日本国内リース販売を開始、第一号車を環境省へ納入したと発表した。走行中に二酸化炭素をまったく排出しないクリーン性能がセールスポイント。一部報道ではリース価格は月80万円とされている(【発表リリース】[読売新聞報道])。
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FCXクラリティ
FCXクラリティ試乗レポート動画(カーセンサー撮影)
「FCXクラリティ」は【走行中の二酸化炭素はゼロ! ホンダが新型の燃料電池車「FCXクラリティ」を投入】でも紹介したように、ホンダが開発した新型の燃料自動車。燃料電池車とは、燃料電池に水素と酸素を取り込んで化学反応を起こし、電気を発生させ、その電気でモーターを回して走る「電気自動車」の一種。走行時に燃焼活動を起こさないので、二酸化炭素などの排出ガスが無いのが特徴。
FCXクラリティは従来ホンダが開発していた燃料電池(Honda FCスタック)と比べて性能の良いV Flow FCスタックを搭載。1回の水素の充てんで走行できる距離を、従来型と比べて30%も長い620キロに伸ばした。なお最高速度は時速160キロと比較的高速。日本の自動車道路内での走行ではまったく問題のない性能といえる。
ホンダではこの「FCXクラリティ」を今後官公庁や一部民間企業へリース販売を行うことで展開していく。年間で数十台、3年間で200台程度のリース販売を予定している。なおリース販売価格の高額さ(80万円/月)や燃料となる圧縮水素ガスの入手などのハードルもあり、一般世帯向けのリースは現時点では行われない。
今後「FCXクラリティ」は2009年1月2日~3日開催の「第85回東京箱根間往復大学駅伝競走」でも開催される予定だという。
ここ一二年の間、原油価格の青天井的な高騰で電気自動車・燃料自動車など、ガソリンエンジン以外を動力とする自動車の開発が急速に推し進められた。昨今では原油はやや冷静さを取り戻し、かつてのような高騰ぶりははるか過去におきた歴史的事象のようですら思える状況で、自動車の新形式の動力に対する機運も再び下火になりつつある(不景気で新規案件の開発にかけられる予算どころではないという、自動車メーカー側のおサイフ事情もあろう)。
しかし中長期的に見れば原油価格が再び上昇し、ガソリン自動車以外の自動車のニーズが高まるのは誰の目にも明らかなお話。辛いときにも開発を推し進めてこそ、長い目で見れば企業自身にも消費者にも、そして地球にも貢献できるビジネスを展開できるのだろう。
(最終更新:2013/08/01)
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