5年間で「増えた」は15%・「減った」は45.7%~進むファミレス離れ
2008年11月24日 12:00
インターネットコミュニティ「MyVoice」を運営するマイボイスコムは11月20日までに、ファミリーレストランに関する調査結果を発表した。それによると、前回調査の5年前と比べてファミリーレストラン(ファミレス)を利用する人の数そのもの、そして利用する人の利用頻度共に減少傾向が見られることが明らかになった。昨今の外食産業の状況を表すデータの一つとして、注目に値する調査結果といえる(【発表リリース】)。
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今調査は11月1日から5日の間、インターネット経由で行われたもので有効回答数は1万5326人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代が37%、40代が29%、50歳以上が18%など。
月次の外食産業の売上動向を【各種産業月次報告記事:まとめ】で掲載しているが、その中の「外食産業(日本フードサービス協会発表)」の報告を見ても、ファストフードなどに比べてファミレスは厳しい状況に置かれている事が分かる。商品単価の割高感や、最近までのガソリン代高騰による「自動車での外食」というライフスタイルからの敬遠など、理由は色々と考えられるが、客足が遠のいていることに変わりは無い。
実際にそれを再確認できたのが、設問中の「5年前と比べてファミレスを利用する頻度は増えたか減ったか」という項目。「変わらない」がもっとも多く4割近くを占めていたものの、増えた派をはるかに上回る値が減った派に見られた。
5年前と比べてファミレスを利用する頻度は増えたか減ったか
「若干増えた」「増えた」を合わせた「増えた派」は15.3%。一方で「減った」「若干減った」を合わせた「減った派」は実にその3倍近くの45.7%に達している。減り方の頻度はともあれ、ファミレスの利用頻度が減少していることだけは明らかである。
それでは具体的にどれほど減ったのか。直上の設問で「5年前」という時間設定がされているが、これは(おそらく)前回のファミレスに関する質問が5年前の2003年に行われているから。実際に【そのデータ】を確認し、5年の間に「ファミレスの利用頻度」に関する回答を比較したのが次のグラフ。
5年経過によるファミレス使用頻度推移
前回調査の2003年では整数部分までしか公開されていないので、多少違和感のあるグラフとなっているが、それでも全体としてファミレスの使用頻度が大きく減少しているのが分かる。中でも「週一~月二、三回」のミドルユーザーが減り、その分「数か月に一回」が増加、それにも増して「ほとんど使わない」層が大幅に増えているのが分かる。特定利用頻度層におけるファミレス離れではなく、全体的に足が遠のいているのが把握できよう。
レポートには5年前と比べて利用頻度が増えた・減ったと回答した人の具体的コメントも記載されている。「減った」人の項目に目を通すと、「食の安全性」「値段が高い・サービスの低下」「商品がありきたり」「高齢者向けメニューが少ない」など、基本的かつ致命的なポイントが指摘されている。
逆に考えれば、これだけ「ファミレス離れ」の要因が明らかなのだから、改善の余地は十分以上にあるといえる。改善をした結果、そこに残るのはファミレスなのか、あるいは別形態の外食店になるのかは不明だが、ファミレスを取り巻く環境が停滞している以上、何か手を打たねばいけないこともまた事実だろう。
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