「早食いで大食い」は肥満確率3倍以上に

2008年11月05日 12:00

大食いイメージ【HealthDay】が伝えるところによると、早食いで大食い(満腹になるまで食べ続ける)の人は、そうでない人に比べて3倍の割合で肥満(BMI値が25以上)の人が多いことが明らかになった。「早メシ大食らいは肥満の元」が科学的な検証で立証されたことになる。

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元記事には「日本人の検証による」としかないが、記事内容を元に検索したところ、【ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)】の電子版において10月21日に掲載されたもので、該当記事は阪大公衆衛生学教授の磯博康氏らのグループによる研究のもの(【該当記事】)。

グループでは秋田県井川町および大阪府八尾市に住む30歳から69歳の男女、計3287人に対し「お腹がいっぱいになるまで食べる」かどうか、および「早食い」であるかどうかを尋ねた。その結果、

●男性……1122人・平均55.3歳
 ・非満腹&非早食い……352人
 ・満腹&非早食い……258人
 ・非満腹&早食い……199人
 ・満腹&早食い……313人

●女性……2165人・平均52.4歳
 ・非満腹&非早食い……668人
 ・満腹&非早食い……712人
 ・非満腹&早食い……232人
 ・満腹&早食い……553人


という結果が出た。その調査母体に対し、年齢や喫煙習慣、運動習慣、職業、カロリー・食物繊維・アルコールの摂取量、さらには地域変数を元に多変量解析を行ったところ、男女共に「満腹」「早食い」の人ほど、そうでない人に対し、肥満のオッズ比が高いという結果が出た。

具体的には「非満腹&非早食い」を基準値の1.00とした場合、

●男性
 ・非満腹&非早食い……1.00
 ・満腹&非早食い……1.61
 ・非満腹&早食い……1.42
 ・満腹&早食い……3.13

●女性……
 ・非満腹&非早食い……1.00
 ・満腹&非早食い……1.48
 ・非満腹&早食い……1.47
 ・満腹&早食い……3.21


「非満腹&非早食い」を1とした場合のそれぞれの条件下における肥満者のオッズ(割合)
「非満腹&非早食い」を1とした場合のそれぞれの条件下における肥満者のオッズ(割合)

もの割合で「肥満」の人の数が多かった。

「満腹&早食い」では、「満腹のみ」と「早食いのみ」を足し合わせたよりも、肥満の割合が高いという結果も出ている。

研究グループでは今回の結果に関して「『消費するカロリー以上に摂取するカロリーが多いから太る』だけでなく、『おなかいっぱい食べる』ことや『早食いをする』という食習慣自体が、何らかのメカニズムで肥満に結びついている可能性がある」と話している。

ダイエットのためには「早食いはしない」「よくかんで食べる」「腹八分目」を心がけるように、という話をよく耳にする。経験則によるものとされていたが、今回実態調査によってこの法則が裏付けられたわけだ。

もちろん「腹八分目」「よくかむこと」は肥満云々だけでなく、消化面などにおいて身体そのものにも良いことに違いは無い。「健康的な食べ方」=「食べ方によるダイエット」ということにもなるのだろう。

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